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撮影したものを見るに、ルナは確かに北極航路連合から何かを持ち去ったようだ
だが、撮影角度の関係で、具体的にそれが何であるかを特定できない
まさか……
もし本当に推測通りだとしたら、なぜ北極航路連合にそれがあったのか……?
航路連合は何のために持っていたのか?更にルナはそれを何に使うつもりなのか?
不吉な予感で心が満たされつつある。アシモフは時計に目をやった
不可能だろうが何だろうが、確認せんとな。議長に言わないと——ふん、まあいい
彼は連絡帳を見て、同じく仕事に追われているもうひとりの名前をタップした
どうしました?
先ほど議長から面倒な任務がきた。今は議長は夢の中でな、北極航路連合の生存者と連絡をとれるか?
守林人とオブリビオンはまだあそこにいるだろう。彼らに確認したいことがある
待ってください、生存者って?
セリカは一瞬ぎょっとしたが、すぐに切り替えたようだ
わかりました……少しお待ちください
通信を切り、アシモフはイライラしながら仕事を続け、5分ほど経った時――
申し訳ありません。あちこち連絡しましたが、誰とも繋がりませんでした
……無線信号発射装置も壊されている
これから、どうなさいますか?
まず、議長にはもう少し休息が必要だな
北極航路連合の派兵経験がある小隊は、今出発できるか?
残念ながら、最近は忙しくて……
セリカが素早く派遣記録表を照会する音が聞こえてくる
任務状況からすると、一番早く空中庭園に戻ってこれるのはグレイレイヴンですね
不幸中の幸いだ
任務が緊急でしたら、グレイレイヴンに今の任務を放棄して、すぐ戻ってくるように伝えます
いや、今はまだ確認しなければならないことがある
グレイレイヴンが戻ってきたら、準備室で待つように伝えてくれ
わかりました