Story Reader / 本編シナリオ / 13 終焉の福音 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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冒涜2

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ガブリエルの足下には赤潮が波打ち、大量の異合生物が集まっている

無数の物質が赤潮の中で解体と再構築を繰り返し、異合生物が形成されていく

ふらふらと徘徊していた侵蝕体がガブリエルの巨大な手につかまり、握り潰されて赤潮に撒かれた。赤潮中の異合生物たちが一斉に群がる

ガブリエルは右手で黒いスーツケースを持ち上げた

侵蝕体だけでは埒が明かんな……

ガブリエルはスーツケースを赤潮に放り投げた。すぐに異合生物が群がり、スーツケースは一瞬で食い破られた。中には半身の機体が入っていたようだ

来い、メインディッシュだ

ガブリエルは右腕を赤潮に差し入れた。無数の異合生物があっという間に群がり、右腕どころか身体中を覆いつくす

すると、異合生物の外殻に数えきれないほどの赤い胞子が現れた。胞子はすぐに弾け、再び新たな胞子が現れる

ガブリエルを中心として赤潮に波紋が広がり始めた。当初は穏やかだった赤潮は、解体と再構築を繰り返しながら次第に激しく波打ち、やがて爆発的なエネルギー波を生成した

赤潮中により完璧でよりいびつな形状を持つ異合生物が次々と湧き出て、列をなして地上へと這い上がった。生命の最も原始的な本能に従い、新たな獲物を探し始めたようだ

自分の右手がほぼ食い尽くされた頃、ガブリエルはようやく立ち上がって荒れ狂う赤潮を見やった

まさか一度でこの規模まで進化するとは……

妙なる力だ

ガブリエルは傍らに落ちていた機械パーツを拾い上げ、強引に右肩とつなげた

私の力が一部損なわれたが、大義を前にしては些事でしかない

ガブリエルの左手が工具に変形した。左手の工具で右肩につながったパーツに調整を施すと、パーツは立派な腕になった

ガブリエルは新たな右腕をさまざまに動かし、機体と順応させた

そう……一切は昇格ネットワークのため

私の全てを捧げることも辞さぬ

ルナ様……かつての私は心から信じていた。あなたが我々とともに立ち、昇格ネットワークの力をもって己が使命を全うしてくださると

いまだにそうであってほしいと願っている。だが、あの女が加わった今なお、あなたの決意はかつてと変わらぬままといえるのか……

杞憂であればよいのだが

そうでないなら……私が何をしでかすか、私自身にももはやわからぬ