空中庭園墜落中の同時刻
――ここはかつて賑やかな街だったが、現在は鉄筋コンクリート建築という名の墓石しか残っていない
――その墓石の間を縫うようにある、赤い流れと細長い結晶の柱
3人は周りを気にせず結晶の柱の間を夢中で歩いていた
つまんない――!つまんないつまんない!マーチン、なんか面白いことない?
ふざけないでくれよ、ナナミ
もう!使えないな~!ロハちゃん、まだナナミが聞いたことない探索者の笑い話とか、ない?
シラナイ、シラナイ、1日デ100コダヨ、モウナクナッタヨ
……
ナナミは振り向き、2体の機械体を見た
…………………………(じー)
……どうした?
ロ、ロハチャン、ワカラナイ
なんか――あなたたちぃ――もっと楽しそうにできないのかなってぇ――
何の説明もなく人……いや、クマを雪原からひっぱりだしてここまで連れてきといて……
ナナミ、ヨビニキタ、ロハチャン、一緒ニ行ク
言ったでしょ、ゲームしよって。ゲームのテーマは――遠くへ行くこと!
長旅には仲間が必要でしょ!仲間といったらマーチンとロハちゃん!お約束!
そんなお約束は知らなかったぜ……
ナ、ナナミ、ロハ、チャン、ドコニ、ツレテイク?
えーっとね……ちょっと厄介なおばあちゃんロボットがいるの……宇宙に住んでて……
そのおばあちゃんロボット、ナナミと話したいことがあるんだって、でもナナミの声が小さすぎて……
だから、おばあちゃんロボットは、ナナミに声をおっきくできる場所の座標をくれたの!
ナナミはたいく……ゴホンッ、ナナミ、途中で悪い人に出会ったら怖いと思って!だから親友のふたりを呼んだんだ!
……退屈って言いかけたか……?
キ、キニシチャダメ