Story Reader / 本編シナリオ / 12 九龍環城 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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12-8 フランケンシュタイン

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禄存(ロクゾン)

う……

構造体

ク、クソ……化け物が……

九龍の構造体も、空中庭園の構造体も、突然の衝撃によって地面になぎ倒され、まるで嵐に折られた木々のように動けなくなってしまった

貴様らのために祈ろう

ガブリエルは、嵐のあとの瓦礫に沿ってゆったりと歩いている。黒い服に包まれた巨躯は、足音ひとつ立てない

地面に倒れる構造体にはまだ意識がある。ガブリエルの一撃は、構造体の機能を一部停止させただけだった。構造体は反撃の機会を探りながら、立ち上がろうとしている

可能な限り殺戮を避けたいと考えるガブリエルにとっては、足止めさえできれば十分だった。だがそれも、ルナの命令の範囲内という大前提のうえでのこと

ガブリエルにとってルナは指標であり、全てだった。ルナのためならば、何だってする

光壁は……何らかのシールドか

光壁の前で立ち止まったガブリエルは、壁を通る方法を探っている。それほど強力には見えない光壁だが、未知の物事に対しては慎重に当たるタイプらしい

クソッ、侵蝕体め!

——!

背後では、侵蝕体が構造体ともつれ合っている。このまま放置しては自分の行動の妨げになる――そう思ったのか、ガブリエルは構造体に近づいた

すまぬ

や、やめろ!何をするつもりだ!この化け物がッ!

コートから伸び出た異形のアームが、構造体を捕える。ガブリエルは構造体の罵声を無視して光壁を探り、位置を定めると――

そのまま構造体を叩きつけた

ぎゃああああ!!!!

おもちゃを投げつける無垢な子供のように、手に持った構造体を何度も何度も光壁へ叩きつける

やがてガブリエルは、光壁の本質に気づいた

光壁はレーザーフィールドだ。それ自体が防御と攻撃双方の役割を担っている。手中で震え続ける構造体の身体に現れたいくつもの溶融痕が、何よりの証拠だ

そういうことなら話が早い。より巨大な力をぶつけて隙間を作り……

内側からレーザーを生成する機能を停止させればいい

ガブリエルは用済みの構造体を投げ捨てると、光壁に自身の手をかざした

——!

隊長!また爆発音!!

今回は中心に近いな。侵蝕体が光壁を攻撃しているのか……?

今すぐ確認しにいきましょう!

ああ、最短ルートで行くぞ!