Story Reader / 本編シナリオ / 09 黒星の失墜 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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9-3 星々の狭間

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いかがでしょう、ハセン議長。ご考慮いただけませんか?

仮にも民間機関たる世界政府芸術協会の会長が、戦時の指令室に出入りすべきではないと思うのだが

そのうえ、私に要求するというのかな

本件は私の職務とは無関係です。私個人にとっても同様です

少々唐突であることは承知のうえですが、是非軍部でもご一考いただくべきかと

……アレン会長。何のエビデンスもない状況では、検討すら難しい

数年前の調査作戦時に失踪した構造体の捜索など……

我々にはこれ以上、戦力を割く余裕はないのだ

我々の第2考古小隊に、非常に優れた知覚を持つ隊員がおります。この隠されたメッセージを見つけ、解読した張本人です

知覚……

アイラ、お入り

ハッチが開き、ファッショナブルで個性的な雰囲気の構造体が現れた

アイラ

ご機嫌よう、ハセン議長。第2考古小隊のアイラと申します。主に芸術品の鑑定を担当しています

アレン

そして同時に、空中庭園が誇る傑出した芸術家でもあります

ハセン

うむ、知っているぞ。むしろ、知らない者がいるものか……

作品をいくつか拝見したことがある。とても素晴らしいものだったよ

アイラ

お褒めにあずかり、光栄です

ハセン

では、君の話を聞かせてくれ

アイラ

はい、結論から申し上げますと……私の「知覚」を信じていただきたいのです……

アイラはハセンに対し、簡潔に説明を行った

……要するに、宇宙ステーションが発する通信干渉のホワイトノイズが、君には意味のある信号に聴こえた

そして最近になって、君の友人である構造体のセレーナが宇宙ステーション内部より信号を発しているという確信に至った

そして、信号の内容は……演劇の台詞……

ええ、シェイクスピア『テンペスト』の台詞です

……

オペレーター。宇宙ステーションのホワイトノイズを再生し、アイラ君の説明を検証してくれ

了解しました

……

確かに……それらしい箇所がいくつかありますが……通信妨害のせいで抽出できる情報が極めて少なく……

偶然である可能性は拭えません……

私が「聴き取れた」部分は、今の記録より遥かに多いのです

セレーナの声で間違いないと思います。セレーナはまだ、生きています

……

ハセンは、アイラの瞳に確固たる意志を見た。その外見には不似合いなほどの老成したオーラを発している

……いいだろう。君を信じよう

あの作戦で失踪した構造体が生存しているのであれば、空中庭園に帰還させるべきだろう

アイラの安全のために、私は——

会長、セレーナの「声」は私にしか感知できませんし、考古小隊には別の仕事があるでしょう

私ひとりで十分です

君の責任能力を疑っているわけではないが……

ただ、いざ生存者を発見した時……万が一……

ええ、その時は、どう対処するべきかわかっています

……まだ、問題はある。誰が君をあそこまで送り届ける?

……

それについてだが……セリカ

はい、ワタナベさん。どうぞこちらへ

あんた方ときたら、人に会うのさえ回りくどいばかりで実にくだらないな

空中庭園は君の要求を受け入れた

今回の作戦終了後、空中庭園はオブリビオンに対して地上の監視情報を開放し、一部の逆元装置強化技術も供与……

そうだ。約束を違えるなよ

ふむ……まずは「久しぶり」と言うべきだったか?

今は昔語りに興じている場合ではないだろう?

確かに……そうだな

それでは、アイラ君。君の護送は、このオブリビオンのエースパイロットに任せることにしようと思う

アイラはワタナベに近づくと、興味津々に観察し始めた

……合格

でも、あなたは確か……空中庭園の指名手配犯じゃなかったかしら?

……

それが直談判に来るなんて……

なんだか面白そう!