Story Reader / 本編シナリオ / 09 黒星の失墜 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.

9-1 舞い上がる砂

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砂漠のオブリビオンの拠点にて、砂煙舞う中、戦場の掃討が行われている

これで……今月は3回目だ

拠点の中心部、黒い針状の大きな物体が地面に突き刺さっている

付近に散らばるのは撃破された侵蝕体。完全武装した掃討人員が、それらを吊り上げて運ぼうとしている

警戒しておいてよかったです。パニシングの侵蝕プローブが落ちてくる前に、避難を終えられましたから

パニシング侵蝕地帯からの攻撃は増える一方だ。今回のように事前に警戒を行えればなんとかなるが……

世界各地の勢力も拠点を失い始めているみたいですね……

侵蝕地帯から次から次へと発射されてくる、この「侵蝕プローブ」が原因です

着弾後に高濃度のパニシングを放出し、瞬く間に周囲の機械体を制御下に置いてしまう……

地上から発射される分にはまだいい。距離もあるし、まだどうにか対策を取る余裕がある

だが……

ワタナベは空を見上げた

地球低軌道から発射される侵蝕プローブは、初速が速く、ほぼ垂直に飛んでくる。そのうえ、宇宙のデブリベルトで見えにくい……

それは、あの侵蝕された国際宇宙ステーションのことですか……?

そうだ

空中庭園の連中も、アレには頭を悩ませてるでしょうね

ああ、我々が光学観測できただけでも、尋常でない回数の交戦に及んでいる

しかも、空中庭園は地上部隊を縮小し、ほとんどの精鋭部隊を引き揚げたようだ――

あのグレイレイヴンも……宇宙部隊の増援として呼び戻されている

つまり……

そうだ。空中庭園は被侵蝕宇宙ステーションの殲滅作戦を決行するということだ

あんなのを相手に……やれるんでしょうか?

さあな。これまでは消耗戦が関の山だったからな

空中庭園には、宙空両用機「フェンリル」を実戦レベルで扱えるパイロットもそんなにいないでしょうし

確か「グレート·エスケープ」以降、空中庭園の優秀なパイロットは皆、ワタナベさんの下に……

…………

戦略的な観点でいえば、勝算もないまま空中庭園が仕掛けることなどまずありえん

きっと我々が知らない切り札を隠しているに違いない

ワタナベさん、つまり……

あの宇宙ステーションは長きに渡って地上にとっての脅威であり、ある種のバランサーでもあった。それが弱体化してしまったら――

世界の局面は大きく変化するだろう

今回の作戦には、世界の行く末がかかっているということだ

では、我々も当然……

ああ、オブリビオンも手をこまねいているわけにはいかない

そのための準備は、とっくにできている――

オブリビオン集合!

はい!

緊急対応プラン実行——拠点のステルス解除!空中庭園との通信チャンネルを確立しろ!

全防御システムを起動、格納庫の3分の2を開放!3時間以内に飛行前点検を終わらせろ!

地上の指揮権は、地上コントロールセンターの予備指揮官に移管する

まさか、ワタナベさん直々に……?

まがりなりにもオブリビオンのリーダーだぞ。今は血気に逸る時ではない

今回の交渉は決して妥協ではない。ましてや手を組むわけでもないんだ。もらうべき物をいただきにいくだけさ

……

ワタナベさん!我々はあなたについていきます!

我々はオブリビオン——

決して忘れるものか……