昨晩、意識海で侵蝕体と一戦交えたご感想は?
お前には負けない……!
俺が斬り殺したパニシングの影は、優にお前の10倍以上だぞ
あれほどのパニシングの影響を受けても無事でいられるのは、誰のお陰かわかっているだろう?
昔も、今も、これからもだ
そのうちお前なんか、キレイさっぱり追い出してやるからな!
無理だとわかっているだろう
なぜなら、俺はお前で、お前は俺なんだから
俺を受け入れろ……自分の限界を超えられるぞ……
パニシングを取り除く方法さえわかったら、お前なんかお役御免だ!
そんな方法あるわけないだろう!
ふん……
……お前、昔クロムが言っていた「あれ」を信じているのか?
実在するかどうかもわからないモノに縋るとは……
俺に意識を明け渡すだけで、全て上手くいくというのに……
断るっ!
電力が回復しました
お疲れさま、リー
あくまでも、非常用電源による応急措置です。この都市の主要な電力供給源は、恐らく最下層にある核融合炉でしょう
ですが、今はパニシングによる電力網の阻害により、この機械工場にしかエネルギーを供給できない状態です
電力が一部回復した結果、都市の至るところで青い緊急信号が点滅し始めた
まるで、銀河の渦の中にいるようだ
誰もいませんね……
相当な年月が経っていますし、さすがに生存者はいないかと……
とても想像できません……一体どうやって50万もの人々が、ここで生き延びていたのでしょうか……
生き残りはいないが、侵蝕体は続々と出てくるな
免疫時代の中後期、人類はパニシングの免疫血清さえあれば、局面を打開できると考えていた
しかし、パニシングが工業施設へ侵蝕し始めた辺りで、認識の甘さに気づいた
軍需工場に変貌した施設で、次々と侵蝕体が生産される。構造体の技術が誕生した時には、もう挽回は見込めない状況だった
ここにいる全員が、あの絶望を身をもって体験しているはずだ
…………
行こう
パニシングは共通の敵ではあるが、我々オブリビオンは、我々の理念に従って人類の文明を再建する
決して退くことなく踏み止まり、この地と存亡をともにした……唯一の人類なのだからな