黄砂を巻き上げた狂風がグレイレイヴンに襲いかかり、構造体の柔らかな合成皮膚に数多の擦り傷を残した
砂嵐が止むまで、ここで待機しましょう
指揮官、機体内部に入った砂はシステムで処理できますので、どうかご心配なさらず……ゲホッ、ゲホ……
無理するな、リーフ。……目下唯一のプラス材料は、足下が砂ではなく鋼板になったことですね
チッ、このコート、もう着られないな……
へぇ、なんかショック受けてるっぽいけど、お前の弱点はコートだったのか!
お前は頭をスキャンした方がいいな
え、やったに決まってるじゃん。体内クリーンシステムといえば全身スキャンが定石だろ!
なるほど、砂のせいではなく、もともとの判断力に問題があったか
待って……皆!未知の信号が現れました!
少々骨折りだったが……
ここがお前たちの墓場だ。空中庭園の犬ども……
侵蝕体ではない?
砂嵐で視覚信号が上手く働きません……熱感知モードに切替えます
最先端の構造体でも、風砂の影響を受けるのか?
笑えるな
信号が消えました!
私も検知できません。この技術、どこかで……
カムイ、リーフ、指揮官を守れ。ルシア……砂嵐に突入しましょう
ええ。後衛はお願いします