屋敷の外から、固い地面を踏みつける足音が微かに聞こえてくる。ロランたちの存在をまだ知らないのだろう、足音にはまるで警戒心がなかった
しかしこれは紛れもないサインだ――彼が何をしていようとも、急がなければならない
ち……!しょうがない、急ぐか
ロランは少し強引に、庭の入り口の扉をロックした。しかし庭に入るために開けられた塀の穴を塞ぐ適切な物がなく、そこは諦めるしかなかった
この行動が発した音は間違いなく「ゲスト」の注意を引くだろう。しかしロランは気にしていないようだ
不審な状況が警戒心を発生させ、ケルベロスの足取りを遅らせることができる。そうなれば、彼らは細部にまで気を配ることができなくなるだろう
――すると、ロランが好機を捉える一瞬も訪れよう
大きな音が響いたようなその状態に、家の反対側からひとりの人影が泳ぐようにやってきた
ひぃ!何を……
シーッ、ゲストが到着したよ
次の段階に進むよ
うぇ……私は、何をすればいいの?
家の外で見張っていてくれ。彼らがここを離れたら、すぐに私に知らせて欲しい
私は……「ゲスト」たちが何をしにきたのかを見てくる
……
何だい?何かわかったらもちろん知らせるよ
とりあえず今は、家を見張ってもらう必要がある。私の目の届かないところで、何か異常が起こっていないかを確認してもらわなきゃね
うう……わかった、わかったよ
ラミアはすぐに家の高いところに飛び上がると、やがて霧のように姿を消してしまった
では、私も隠れる場所を探して、しばらく身を潜めるとするか
ロランは振り向いて、貯蔵室の後ろの暗闇の中に入った
まだまだやることがありますよ、ブードゥーさん
…………
ゲストとターゲットを同じ場所に追い詰めて……一体どうするつもりなのでしょうね……