頭上の水色のランプが規則正しく点滅している。エンジンの轟音が広い輸送船の中に響き渡っている
こちらはマザーグース-7号、10分後に目標点に着陸します
輸送船の中でできることは限られている。ここにはポップコーンもジュースもなく、話しながら着陸を待つ者は少ない。笑顔で一斉に輸送船から出て並んで敵と戦うなどありえない
今できるのは、装備と武器の点検をしながら自分の席で待つこと。任務の注釈を隅々までチェックして、着地後は迅速に地上の戦闘へと対応できるよう身構えておくこと
不時着にも備えなければならない。これは侵蝕体との戦争の中で日常茶飯事だった。人間と異なり、機械はいつも常軌を逸した攻撃を仕掛けてくる
もう一度、装備のチェックをし、端末で任務計画を開いた。もう何度目になるかわからないが、再度その内容を確認する
作戦の詳細は皆の端末に送信した
戦争は決して我々に待つ時間を与えてくれない。それが、ここにこれだけの精鋭部隊が集まっている理由だ
ハセン議長はそこまで話すと、一旦話を止めて、その場にいる指揮官たちを眺めた。そして、[player name]で視線を止めた
中には、今回の大型作戦に初めて参加する小隊もいる。これは重責であり、名誉でもある。なぜなら、君たちはもうそれぞれの任務の中で、十分に能力を証明してきた
もちろん優秀な作戦能力は必要だが、今回の作戦で必要なのは、大局を読み勝利を確実なものにすることだ
だから今回は特別に、ある指揮官を今回の粛清作戦の総司令官として任命した
総司令官はすでに自分の小隊を率いて地上に向かい、後続の小隊のために道を切り拓いている
本作戦では、より多くの人に指揮官と構造体の協戦のメリットを示し、反撃時代への理解を深めることになるだろう
このことを肝に銘じてほしい。失敗は許されない
そうだ。ハセン議長から、確認のメッセージが届いています
「君たちはまだ結成したばかりのチームだ。注目が集まっている。しっかりやってくれ」
「それと同時に、グレイレイヴンにとっては初めて参加する大型作戦だな。ベストを尽くせばそれでいい」
放送の音声に混じって足音が聞こえた。顔を上げると、いつの間にかリーが輸送キャビンのハッチに現れていた
何をぼうっとしてるんですか?
任務を開始する前に、全員の状態を確認しにきました
噂の通り慎重ですね
気にしないでください。僕の個人的なこだわりです
気にしないでください、悪い噂ではありません
新しい機体に適応中です
着陸する前に、初期適応過程が終わるはずです
いや、新しい機体という表現は正確ではありませんね
1名は以前の機体、もう1名は試作中の実験型機体を使います
ある意味では、新しいとは言えませんね
冗談は結構ですよ
そうですか。そういう言い方をされると、ある性悪女を思い出すものですから
その言い方が、黒野にいるタチの悪い女に似ているんです
ところで、手に持っているのは任務計画ですか?
いえ……指揮官が得られる情報にしては、構造体のものとあまり変わらないようですね
深い意味はありません。ただ上の情報統制の完璧さに感心しただけです
任務につく兵士にさえ、目標都市についての情報をあまり開示しませんから
ふん、そうですね。昔の黒野と同じです
その時、キャビンのハッチがゆっくりと開いて、見慣れたふたりが前後して入ってきた
ルシアです。お待たせしました
待たされてませんよ。僕が計算したのとほぼ同時刻です
思った通りです。試作中の「黎明」機体はいろんな面で「紅蓮」よりも優れています
科学理事会の新技術ですか……試作機体なのに出力パワーが前の機体よりも40%も高いですね
なるほど、関節に複合材料を使ってるんですね。これを武器の改造に使えば……
あの、リーさん……
え?
……ゴホン……
さておき、多くの技術はまだ試作の段階であることがわかります。上は今回の任務を通してより多くのデータを獲得し、今後の改善に役立てるのでしょう
より正確なデータが得られるよう、指令に協力するよう努めます
はい。私も「黎明」機体の調整が終わり、新機体として使用する日を楽しみにしています
はい……前に使っていた機体なので、特に適応に問題はありません
なぜグレイレイヴンに来てから使っていなかったのですか?
ええと……
グレイレイヴン、まもなく着陸します
リーフがその場で逡巡していると、パイロットの放送が会話を中断した
皆さん、まず着陸の衝撃に備えましょう
わかりました
放送を聞いて全員が話をやめ、それぞれの席に戻って防御装置を固定した
わずかな振動が、輸送船が着陸体制に入ったことを知らせている
ええ。チーム作戦なんて珍しいですね
了解