Story Reader / 外伝シナリオ / EX02 極夜再臨 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
<

EX02-16 不運な人

>

悲しみに身体を穿かれた時、私は期待していた

全てを破壊して、全てを棄てたいと

でも、できなかった。私には勇気がなかった

だから……

ロゼッタが高速移動でインブルリアの機体に肉薄する。インブルリアも追跡弾を放って、ロゼッタの行動を制限しようとした

しかし、ロゼッタは怯むことなく、真っ直ぐにインブルリアの上半身に向かって突進する

指揮官!

ロゼッタは力一杯叫んだ。指揮官とリンクしている彼女に見えるもの、彼女がわかることは目の前に広がる戦場だけではない

返事をする代わりにロゼッタは盾を高く掲げて頭と胸を守る。だが、全ての攻撃を防ぐには至らなかった

弾が盾に命中した瞬間、ロゼッタは光の翼を完全に閉じる

そして重力で自分の機体を制御しながら巧みに光の翼の推進力を使い、散乱する粒子を利用して弾の照準を乱した

ロゼッタは渦巻きのような乱射を通り抜け、インブルリアの目の前に躍り出た

これで……!

ロゼッタは勢いをつけると、追跡弾を従えながら氷の洞窟の頂点に向かって急上昇した。散乱していた弾が一直線に集まる

発射ッ!!!

ロゼッタは空中で身体をよじって弾の直線に向かい合い、展開した盾越しに弾丸を射出する

双方の攻撃が激突し、戦場を揺るがす大震動が起こった。ロゼッタは爆発でできた霧を利用し、再びインブルリアの前に舞い戻った

ロゼッタ!お前!!!!

今はもう……完全な「インブルリア」になった?

これが、ラミアの言っていた意識融合なのだろうか。目の前のインブルリアは先ほどまでの明確に分割された意思を持つものとは違う、まるで別の存在になっていた

あと一歩で自由になれるのに!あと少しで外に出られるのに!何があっても私たちを阻むというの!?ロゼッタ!

インブルリアは射撃を止め、手を直接使った攻撃を繰り出した。ロゼッタがスピアでそれをさばく

意識海の接続中、あなたたちの意志と渇望を感じた。痛みと怒りも私の意識海に流れ込んできた

それなら!私と一緒に航路連合に、この世界に復讐しようじゃない!

それではただ、他の誰かを苦しめる過去を作るだけよ!

私はあなたに理解も赦しも望んでない。亜人型の構造体として、私の意識海の大部分は戦闘という野性的な本能に占有されている

今起きていることがあなたにとってどんな意味があろうと、私はただ前進するのみ。皆が正しく過去に向き合える未来までひたすら進むだけッ!!

ロゼッタ……

次の瞬間、ロゼッタは前足に攻撃を受けたがうまくバランスを維持した

指揮官、コア機能の使用許可を!

ロゼッタは蓄積したエネルギーの全てを使用した攻撃を繰り出そうとしている。それは空中庭園での改造を経たロゼッタが持つ、最後の切り札

インブルリアが反応する前にロゼッタは空中高くに飛翔し、変形したスピアを盾に突き刺した

インブルリア

これは……!?

ロゼッタ

インブルリア、そしてエステバン。私に言う資格があるかはわからないけど

それでも、あなたたちに一言だけ言いたい

インブルリア

えっ……?

ロゼッタ

ごめんなさい

それが、零距離射撃を起動する前の最後の一言だった。ロゼッタはこれまでの戦闘でインブルリアの核心の位置を把握していた。ロゼッタは盾で照準を合わせ――

一切を終わらせる鍵として、スピアを放った

——巨大なエネルギーとインブルリアのコアが連鎖的な爆発を起こし、周囲のあらゆる物を巻き込んでゆく

ロゼッタ

あなたたちはずっとこの言葉を待っていたんでしょう……