まさか地下にこんな大きな洞窟があるとは……
入り口は延々と下に向かって続き、一行は奇妙な地下世界にたどり着いた
あれは、生産ライン……
つまり、私たちが戦っていた敵はここで生産されていた。道理で数が合わないはずね
だが、おかしいぞ。これだけの大きな洞窟に気づかないなんて……
何らかの干渉が働いている。上を見て、奇妙な灯りがある。あれは探知に干渉するためのものだと思う
あやまちを隠すためだけにこの規模の施設を作るとは……。こんな余力があったなら、連合の再建に注力すればよかったんだ……
ああ……船長総代表が言っていたな。インブルリアとバイオニックは戦争のために作られた兵器だと
この洞窟を見れば一目瞭然。連合の上層部は最初から、戦争こそが最終的な解決手段であると信じていた
そう、ディアンナ。全ては過ぎたこと
過去にどんなあやまちが起こったとしても、私たちが全力で正せばいい
——ずいぶんお利口さんみたいなことを言うんだね、守林人。それに[player name]
誰、って……ああ、そういえばまだ会ったことなかったんだ
少なくとも面と向かっては、ね
聞き覚えのない女の声だ。人を不安にさせる、ノイズのような声……
面倒臭いけど、自己紹介するか。私はラミア……昇格者の一員だよ
前回はα、今度はラミア。お前たち昇格者は航路連合を自分たちの庭か何かだと思ってるのか?
だってさ、ここに必要な物があるんだから……仕方ないじゃない……
変なやつ……さっき結論が出てたんじゃないの?全ては航路連合のあやまちでしょ?
連合を襲撃するバイオニックも、ここに隠されていたインブルリアも、私とは関係ないよ
私はただの観客だもん
わかりきったことをいちいち訊いてきて……それ、あなたの趣味?
要するに、エステバンはそちら側ということか
とにかく、私の目的はインブルリアだけだから。エネルギーは集まったし、充填し終わったら制御コードを使って、お仕事完了
そうすればインブルリアは私の手足になって、それで……
……あなたたちが私の独り言を盗み聞きしただけでしょ
……やたらと種類ばっか増やしたくないんだよね
ラミアは一方的なおしゃべりを中断した。すぐに、複数のバイオニックが物影から現れる
キィ――
待て、こいつらは……侵蝕体だ!!
侵蝕体、それに昇格者……あのラミアとかいうやつ、まさか航路連合を九龍環城のようにするつもりか!?
私たちがここに来たのは、そのような事態を阻止するため。とにかく突破して下へ向かおう。行こう、指揮官
だが、突然氷の洞窟に何かの起動音が鳴り響いた
罠か!?