ロラン、ラミアさんを見なかったか?
見てないね。ラミアに何の用?
ふむ……各人の状況を常に把握しておきたいだけだ。特に彼女は安定していないからな、また妙なことをしでかさないか、多少心配している
大丈夫だよ。ラミアはひとりに慣れているしね
……
この女性、片づけないのか?ロラン
もう少しこのままにしておきたいんだ。綺麗な物は見てて気持ちいいじゃないか?
……
え~、何言ってるのぉ!?!?
遊園地に他に人はいないようだ。ガランとした辺ぴな場所で、ナナミは水遊びをしながら、目の前にいる機械を困らせていた
……
ナナミ、まだお仕事したくない。違った!ナナミ、そもそもお仕事しにきたんじゃないもん!
仕事はイヤです!わかりましたか!
ナナミの説教に対し、機械はピクリとも反応しない
ナナミに散々好きにしゃべらせ、これ以上しゃべることがないという段階になって、機械はとうとう動き出した
ナナミ、モウ……
聞こえない、聞こえないったら!
ナナミは子供のように地面を転げ回った。適切に出力が調整されなかった機体によって、地面が粉々になる
私ニ君ヲ阻止スルチカラハアリマセン。デスガナナミ、アナタハスベキコトヲスルベキデス……
……そんなこと、わかってるもん
地面に突っ伏したまま、ナナミは背中を機械に向けて呟く
……とにかく!ナナミは逃げるから!君たちはこれ以上ついてこないよーに!!