どうして……
どうして、ロゼ姉を傷つけるんだよッ!?!?
みんな、なんで……みんなを守ってくれる人を、なんで!!!!
クソガキ……!!
水夫は少年の襟を掴み、持ち上げた
うわぁっ!?
いい加減にわかれよ
守林人ってのは、連合を裏切った罪人なんだぞ?
俺たちはな、その罪を償う機会をやったってだけだ。機械の身体も、人並以上の寿命も、辺境の警護も、罪を償うためのものだ!
なのに、「ここから逃げろ」だぁ?守る気もないってのは、どういうことだよ!北極航路連合に対する再度の裏切りじゃねえかッ!!
違うか?何か反論してみろよ?
イヴァンッ!!
もう……いい……
先に……森に戻って……せめて……
い、嫌だぁっ!!
イヴァンはジタバタ身を捩り、水夫の手を振りほどいた
僕の言ったことは全部本当なんだ……この目で見てきた……!!
僕は絶対にここを離れない!ロゼ姉と、みんなと一緒に戦うんだ!!
イヴァン……!
……残念だけど
潮のにおいにパニシングのにおいが混ざってきた……侵蝕体の奔流は、まもなくここへ来る
ここの人間たちにはもう、選択の余地はないわ
けれど……あなたにはまだある
このイッカクを、人間もろとも無駄死にさせるか否かの選択……
!
ロ、ロゼッタの意識海が不安定に……パニシング侵蝕率が上昇しています!!
まずい……!
簡潔に言うわ
私があの子を完全に「手懐ける」までの間、邪魔者をなんとかしてくれたら、あの子の安全は保障する
そしてあの子を連れて、永久にここから離れる
……選びなさい
言い終わるなりαは身を翻し、イッカクの背中に飛び移った
指揮官……好き勝手にはさせられません……!
このまま逃してしまえば……次にいつ遭遇できるかもわからない……!
ルシアの新機体は大気圏に突入しています。落下ポイントをイッカク付近に調整しました
わかりました!
落下ポイントにルシアが向かおうした……その時
……止まれ……