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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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NO.40 夜崎遊園地

敵は排除された。「母親」の腕の中で気を失った子供の、その小さな金属製の手からフォトフレームが滑り落ちる

パニシングは危険レベルに達していません

近くに孤児院がありますね

ということは、浄化塔も近いはず

急いでパーツを見つけて、傷口を修復しなくちゃ……

この子を見つけてくださって……ありがとうございます……

いえ……

まさか子供も……バイオニックだったなんて……

……浄化塔を制御する主電源は、もうすぐ近くです

ではルート通りに進み、早急に任務を終わらせましょう

孤児院は目くらましにうってつけですからね……

駄目です。主電源をいじるには、特別権限の認証がいる……

ちょっと失礼……

あ……どうぞ

「浄化塔」のことですよね?

全員

え……?

私のログに記録があります。一部の権限を人間に起動してもらう必要がありますが……

ログ:■年■日、お願いします……私は……もう長くはもたない……あの子を、頼みます。この苦しみを、終わらせて……

ログ:■年■日、権限認証変更、関係を母親へと変更……

母親は亡くなる前に、ナニーに子供を託したんですね……。ナニーの権限は変更できたけれど、子供の権限を変更する前に力尽きてしまった……

それで、フォトフレームの写真を見て……

画像から「母親」を識別したのですね……

……

ログ:■年■日、チップ権限連携、202区域の浄化塔の再起動に使用

ログ:■年■日、振動波発生装置は浄化塔再起動後2時間以内に共振……

つまり……浄化塔を再起動してしまうと……

ええ……バイオニックは電磁振動波の作用を回避できません。皆、動作を停止するでしょうね……

全員

……

さっき見たコイルやパーツは、電源シールドの周波数変換装置だったってことだね

……となると、浄化塔に近づくほどパーツが増える説明もつきますね

私の任務は人間に奉仕すること……再起動すれば不幸な記憶も削除できます……この子にとっても、それがいいでしょう

調査では……

調査では、周辺の制御ボタン及び関連回路は全て毀損しているとのこと

つまり、権限を起動するためには

ナニー型バイオニック5体を同時に起動する必要がありますね

ママ……一緒に……『エレクトリックタワー』で遊ぼうよ!

いい子ね……でも今日はもう寝る時間よ……起きたら……一緒に遊びましょうね。今度こそ、立派なタワーを建てましょう……

うお!ゲーマー天国じゃん!!めっちゃいろんなゲーム機があるぞ……

全員

ゲーム機……

もしかして……!

え!?なんでよ!?こいつとこいつなんか限定モデルだぞ!持って帰らせてくれよ~!

指揮官殿……ここで何らかの装置を組み立てるおつもりですか?

コントローラー……マザーボード……フィルタ回路……!

そして振動子!

何がなんだかわかりませんが、すごいことを言ってそうな感じはします……

私は指揮官の判断を信じるだけです

私が前方で注意を引きつけます

では、私は後方から支援しましょう

浄化塔の再起動後、電磁振動波が遮断される瞬間に乗じて……

隔離板がある商店街まで撤退する?

やっと繋がった……聞こえますか?

どうやら実行可能なプランを思いついたみたいですね

全員

了解!

ナニー型バイオニックが主電源を起動した刹那、電磁振動波は無害な低周波へ変換された。引き寄せられていた侵蝕体は孤児院付近で動きを止める

はいよ!

轟音が数回響いたあと、巨大な岩が崩落し、侵蝕体の進路を塞いだ

低周波音が背後から轟く。浄化塔の主電源が激しく揺れ始め、侵蝕体は完全に動作を停止した

つかまってください!

指揮官

指揮官は転倒すれすれでルシアの腕をつかみ、そのまま一緒に遮蔽物へと転がり込んだ

……うまくいったんでしょうか?

当ったり前じゃん!

お前はいつも、意外なところで役に立つな……

溶接の最速記録を更新できた

侵蝕体もほとんど片づきましたね

皆さん、お疲れさまでした!

あら……?指揮官とルシアは?

カエル……ちゃん……

指揮官

循環液が必要です。早急に補給を回してください

おやすみなさい、私の宝物……

母親たちが一斉に子守唄を口ずさみ始めた。電源の再起動とともに、沿道の街灯も徐々に消えていく

まるで、ベッドの我が子に読み聞かせる物語の結末のように――

数多の困難を乗り越え、今回も誰ひとり欠くことなく帰投できた