リー、側面に気をつけてください!
クソ!死角に潜んでいるとは!
退路が絶たれました、前進するしかありません!
ルートを計算します……駄目です、前方は侵蝕体だらけです
――警告、警告――
――異物を検知しました。5分以内に自動処理プログラムが起動します――
――危険ですので、作業員は機械旋回エリアから退避してください――
何の音声でしょうか?
さあ。ですが、5分以内に何かが起こるようですね
――警告、警告――
――自動処理プログラム起動――
――作業員はただちに退避してください。これは訓練ではありません――
来ました!避けてください!
巨大なクレーンが、屈んだ頭すれすれを掠めていく
グレイレイヴンを包囲していた侵蝕体は、ことごとくクレーンと激突した
今です!
クレーンと激突した侵蝕体を足場代わりにして、グレイレイヴンはその場を離脱した
——固形物の固定完了。続いて消毒作業を行います——
強酸性の腐食液と氷粒噴射に交互に襲われ、侵蝕体は完全に動作を停止した
続けて海水が高圧噴射され、侵蝕体の残骸は海に流されていく
これは……何ですか……
さまざまなクレーンに内部循環装置、それに冷却装置のフルコースですか……。おそらく、この港の荷役機能はまだ現役ですね
侵蝕体の破壊を感知すると、荷役のプログラムが侵蝕体掃討専用のプログラムに切り替わる……
道理で、進めば進むほど侵蝕体が少なくなるわけです
よほど強力な侵蝕体でない限り、このプログラムに太刀打ちできない……
でしょうね
さ、この機に乗じて浄化塔のエリアまで進みましょう
センサーが故障でもしていない限り、浄化塔はハブの中心エリアにあります
了解です