航路連合の中にも、やつらの定住に反対する声はあった。致し方のないことだ
グリンヴァノスクの難民だけじゃない。航路連合はそれ以前から中央アジアや西ヨーロッパの難民を数多く受け入れてきた
ここではっきりしとかなきゃならんのが、航路連合の食糧供給にも限界があるってことだ
ええ……
空中庭園がキャランタを奪還したお陰で、俺たちはようやく難民たちをリリースできたんだ。居場所を得た難民たちは自立した生活を営めるからな
だがな、人が増えれば意見も増える
最終的にグリンヴァノスク防衛線の難民は他の難民から追い立てられて、それでキャランタ付近で……辺境コミューンを組織したんだ
今もキャランタ周辺に住んでいると思うが、十分な補給は得られてないだろうな
俺は忙しさにかまけて、その問題を放置していた
下手に介入すれば、航路連合が資源供出をする羽目になるかもしれない。だから航路連合は保守的な方針を取り続けた——
流血沙汰にでもならない限り、難民居住地の管理には一切介入しないってな
ですが……
同じ人間同士で抑圧するような真似はしたくない。かと言って、航路連合の資源を分けたくもない
だから、ずっと見て見ぬふり……そういうやり方をしてきたんだ