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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ノクティス 星摘みの叙述

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ゲームエリアの盛況ぶりは予想していたが、まさかここまでとは思わなかった

レトロなパンチングマシンの前には、黒山の人だかりができている。黄金時代のゲームが、今もこんなに人気とは……その中で、鮮やかな赤い髪がひときわ目を引いた

空中庭園の構造体によるコンステリアでの破壊行為に抗議します!

慌てて人混みに押し入って最前列まで進むと、そこには壊れたパンチングマシンと怒り狂った店主、そしてどこ吹く風のノクティスがいた

破壊だァ?こんな黄金時代の古いガラクタなんざ、そもそも作りが悪いんだよ。俺様はまだ本気出してないっつーのに、壊れやがって

不満:理不尽な言いがかりです!要求を伝達:構造体ノクティス氏に、損害に対する修理と賠償を要求します!

理不尽だぁ?つーか、俺に修理なんてできるわけねぇだろ。ああ、反対側からもう1発食らわせたら直るんじゃねぇか?

「もう1発食らわせる」――?このままでは本当の破壊事件になってしまう。迷わずノクティスに声をかけ、止めに入った

おお、[player name]!ちょうどいいところに!

まるで救世主を見つけたかのように、ノクティスはこちらをぐっと引き寄せると、大演説でも始めるようなテンションで紹介し始めた

(小声)なぁ、助けてくれよ。俺、修理なんてできねぇからさ!

おい、店主。こいつこいつを知ってるか?こいつこいつは[player name]――人類の英雄、グレイレイヴン指揮官だぜ?こいつこいつにかかりゃあ、修理なんて朝飯前だ!

視覚センサー照合完了、対象が[player name]であることを確認しました。要求を伝達:空中庭園に、損害に対する修理と賠償を要求します!

じゃあこうしよう、[player name]。この問題を解決してくれたら、とっておきの場所に連れていってやる。超ヤバい世界が待ってるぜ?

端末を取り出し、何度かのやり取りの末、空中庭園の工兵部隊が修理を引き受けてくれることになった

修理スタッフの連絡先をロボット店主に渡し、騒ぎは収まった。ノクティスはお詫びとして、特大サイズのフレッシュジュースを差し出してきた

もう解決したのか?やっぱり、こういうことは指揮官じゃねぇとダメだな。ほら、俺様の奢りだ!

俺様が見つけた、唯一無二の場所だ。他じゃ絶対に味わえない体験をさせてやるよ!

距離にして地上数百mの風車塔の頂上――奇妙なウイングスーツを着たノクティスが、誇らしげに目の前に立っている

どうだ?見たことないだろ?

おっ、知ってんのか?なんだよ、ずっと見せびらかすの我慢してたのに

まさか、やったことあんのか?先を越されるとは思ってなかったぜ……ファウンスって、本当になんでも教えてくれるんだな

エンタメ?特殊な潜入作戦に使うやつじゃねぇのかよ?まぁ、[player name]もまだやったことないってんなら、俺がその「贅沢なエンタメ」を案内してやるよ

やっぱり俺の飛行スキルが心配か?そう言うと思って、ちゃんと準備してあるぜ

ノクティスは自信満々に端末を取り出し、自身の飛行訓練の記録映像を再生した。風を裂くように空を舞うノクティスの姿は、まさに大空を謳歌する鳥のようだった

ノクティスは慣れた様子でこちらの後ろに回り、固定した。今回ばかりは慎重かつ丁寧に固定具の確認を行い、更にはフライト中の注意点を「真面目に」説明し始めた

[player name]、準備はいいか?俺たちふたりで空を征服しに行くぞ!

コンステリアの祭りが盛り上がる中、誰にも気付かれずに、街の中央にそびえる塔頂から1羽の「鳥」が空へと飛び立った

最ッッッ高――――![player name]、気分はどうだ!?

風が耳を切り裂くように鳴り、重力が臍の緒のように全身を縛る。予想よりも遅い落下速度――心臓がどくんどくんと跳ね、理性が空に投げ出されそうになる

ノクティスの強靭な腕によって広げられたウイングスーツが、ふたりを「鳥」に変えた

空気は冷たかったが、緊張が和らぐような安心できる体温を、背中にはっきりと感じる

[player name]、下を見るな!前だけ見てろ!ほら、空を飛んでるぞ!

ノクティスの言葉が、今にも飛びそうだった意識をぐっと引き戻してくれた。言われた通り、視線を前に向けてみる

目の前に広がるのは、傷つきながらもなお優美な星の曲線、淡い蒼の空、どこまでも続く遥かな地平線――

ふたりの滑空に合わせて、地平線の向こうから次々と新たな風景が現れる。その美しさに張りつめていた神経がほどけていく

コンステリアを見下ろしながら、ふと疑問が浮かんだ

あ?

グッドニュースは、ふたりが着地した場所がコンステリアからそれほど遠くなかったこと。バッドニュースは、移動手段が徒歩のみだということ……

なぁ、どうだった?今回の祭りで、これ以上にスリルがある体験はないだろ!賭けてもいいぜ!

じゃあ次は、もっとすげぇ「表彰タイム」だ!

ノクティスはどこからか手作り感満載の証明書を取り出した。そこにはすでに自分の名前が書かれている。どうやら事前に用意していたようだ

この俺様が直々に授ける、黄金時代以降初のウイングスーツフライト証明書だ

お前はどうせ「景色が最高のご褒美だった」とか言うだろうが、俺様的にはそれだけじゃ物足りねぇんだよ!

今、フライト証明書を持ってんのは、世界で俺とお前だけだ。次も一緒に飛ぼうな!

ん?どした?

んな難しいこと、俺がわかるわけねぇだろ!とにかく……それでいいんだよ!ほら、さっさと帰るぞ!