太陽はすでに空高く昇り、あちこちに祭日の雰囲気が漂っていた
蒲牢はぴょんぴょん跳ねながら近付いてくると、手に持ったチケットを見せた
指揮官、見てください!私、「シューティングチャレンジ」を引き当てたんです!すっごく刺激的で、とっても面白そうでしょ?
指揮官、一緒に遊びましょう!
蒲牢はこちらの手を引き、何も言わずにぐいぐいと引っ張って歩き出した
ここですね!うわぁ、見てください!あそこ、あそこ!すっごく大きくて、めちゃくちゃカッコいいぬいぐるみがあります!
蒲牢の指す方向を見ると、大小さまざまな形のぬいぐるみが棚にぎっしりと並んでいて、新しい主人を待っているようだった
隣の看板には大きな文字で「<color=#ff4e4eff>最も刺激的なシューティングゲーム!ドキドキスリル満点!</color>」と書かれていた
蒲牢は目をキラキラさせて、一番大きいぬいぐるみから目が離せなくなっていた
それは、彼女よりも大きいクジラのぬいぐるみだった。とても精巧に作られているように見える
わぁ、すっごく大きなクジラのぬいぐるみ!
触り心地もよさそう……寝る時に抱き締めたら、ふわふわですごく気持ちいいでしょうね!
指揮官!素敵だと思いませんか?
これは最新の「シューティングチャレンジ」です。動くターゲットに当てると、ポイントがもらえます
ポイントを貯めるとぬいぐるみと交換できます。とても簡単ですので、挑戦してみませんか?楽しいですよ
はい、やりまーす!
よーし、頑張るぞ!
絶対にあの大きなクジラのぬいぐるみをゲットしてみせるので、指揮官は手出し無用です!私ひとりで挑戦しますね!
シューティングゲームが始まり、リズミカルな音楽が流れ、自然とゲームに没頭した
蒲牢はおもちゃの銃をしっかり握り、動くターゲットに全神経を集中させて撃っていた
ターゲットのスピードは異常だった。目が追いつかないほどで、店員が言っていた「とても簡単」という言葉は、単なる客寄せ文句ではないかと疑うほどだった
1回目の射撃はあっという間に終わった。スコアボードに表示された数字は大きな「0」――
戦闘では旋龍刃を使っているため、蒲牢にとって銃の操作は大きな挑戦だった
うわ――ん!難しすぎます!
なんか、おちょくられてる感じがします!あんなに高速で動かれたら目が追いつきません!
普段使ってる武器と感覚も全然違うし……
納得いきません!もう1回やらせてください!
蒲牢は顔を真っ赤にして、唇をきつく噛みしめていた。頑なな表情を浮かべる少女は、ここで引くつもりは一切ないようだ
いえ、ズルはダメですから!
今日は絶対に自分で勝つんです!
蒲牢の後ろに回って彼女の手を握り、おもちゃの銃の照準を動くターゲットに合わせた
少女の手をしっかりと握る。まるで勝利への確信を彼女に伝えようとしているかのように
引き金を引いた瞬間、動くターゲットから勝利の音が鳴り響いた
1回、また1回と撃つごとに、スコアボードの数字が上がっていき、最終的に輝かしい数字で止まった
訓練や実戦で直面する状況と比べれば、これは取るに足らないほど簡単だった
わぁ!全部当たった~!
まぁ……指揮官のお陰ですけど……
とんでもない数字を叩き出しましたね。イベント史上、最高記録です
では、お好きな賞品を選んでください
あの大きなクジラと、それから……それと、あれも!
指揮官、本当に最っっっ高です!
少女が突然こちらの胸に飛び込んできた。興奮した彼女の衝撃は想像以上だった
最初は自分の力で勝って、賞品を指揮官にプレゼントしようと思ったんです
でも、蒲牢はこの挑戦を甘く見てたみたいです……
もし指揮官の「協力」がなかったら、絶対に上手くできなかったと思います
だから……この挑戦の賞品は、指揮官ももらってください!
蒲牢は一方の手で巨大なクジラのぬいぐるみを抱えながら、もう一方の手を差し出した
蒲牢から小さな白熊のキーホルダーを手渡され、手の平にもふもふと柔らかい感触が伝わる
この無邪気な笑顔の白熊が蒲牢に似ているような気がして、思わず顔が綻んだ
えへへ……この「クマなしパンダ」、指揮官は好きですか?
それから、まだ欲しい賞品があるんです……
指揮官、ぎゅーってしてください!!