Story Reader / イベントシナリオ / 奏でる恋音 / Story
……つまり、僕と一緒にこれに挑戦したいってこと？
バンジはチケットに書かれたルールをちらっと見てから、こちらを見た
ふぅん……僕のこと、そういう風に思ってたんだ？ショックだな
なんてね、冗談。別にいいよ
君の頼みなら理由なんていらないし
うん、いつでも始めていいよ
この「トンチンカンアンサー」とやらをね
ゲームが始まると、参加者は時間内に訊かれた質問に対して、全て「トンチンカン」な答えを返さなければならない
たまにはこういうのも一興だろう。それに、そもそも質問してくる人がいなければ、負けることはないのだし……
あれ？グレイレイヴン指揮官じゃないですか！ストライクホークのバンジさんも一緒なんですね
……こんな賑やかな祭日に知り合いに会わないというのは、さすがに考えが甘かったようだ
おふたりはどうしてここに？グレイレイヴンとストライクホークの共同極秘任務とか？
[player name]が昨夜、枕が硬くて寝心地が悪いって言ってたから
バンジは淡々と答えた
枕？ってことは任務じゃなさそうですね。もしかして、新しい枕を一緒に買いに来たとか？
あ、わかった！「餅は餅屋」ってことですよね。この前覚えたばかりの言葉ですけど、多分そういう意味ですよね
さすがは首席！日常生活でも資源の有効活用を実践してるなんて！
へぇ、得意なことがたくさんあるんだね。あとで僕にも教えてくれる？
で、おふたりはどこに行くんですか？お店とか？
せっかく僕が早起きして作ったのに……そのままゴミ箱行きなんてひどいよ、指揮官
バンジの言葉に、目の前の構造体兵士は興味津々な目をしていたが、すぐに「なるほど、そういう関係なのか」と言わんばかりの表情で話を続けた
えっと……朝食ですか？もうお昼の時間ですが……
あっ、指揮官はお腹が空いているから、朝食の埋め合わせに美味しいランチを食べたい……ということですかね？
おふたりの会話って本当に飛躍しますね……精鋭小隊って、皆こんな風に話すんですか？
でも、おふたりのペースについていこうと頑張る私もなかなかでしょう？へへへ……
......
この道、工事中なんだって。資材が積まれていて前より道が狭くなってるから、ふたり並んで歩くのがやっとだ
え？工事？そんな話、初めて聞きましたが……でも確かに今日は人がたくさんいるので、かなり混雑してますね
とりあえず、道のど真ん中で立ち止まるのはやめましょうか
で、[player name]さんはランチが食べたいんですよね？実は友人がレストランを開きまして。すぐそこなんですけど、よければ……あっ！ちょっと！
言い終える前に、彼はもうひとりの構造体兵士に無理やり引っ張られていった
お前、普段からしゃべりすぎだってあれほど言ってるだろ。空気を読めないか？
何するんだよ！今、グレイレイヴンとストライクホークのメンバーと仲良くなろうとしてたのに！
こんな日に仲良くなってどうするんだよ？邪魔してるってわからないのか？ったく、察しろよ
……ゲームのルールさえなければ、もう少し離れてから話してくれと言いたいところだ
仲間に引っ張られていく構造体を見て、バンジの口角がピクピクと動いた
朝食の話、あれって本当のこと？
さっきの話について訊いてくるバンジに答えようとして一瞬止まった。ふたりの間の会話なのでルール的にはセーフだと思うが、朝食への返答は「トンチンカン」ではない……
自分が罠にかからなかったのを見てバンジはそれ以上話を続けず、無言でこちらの手を取った
まぁ、本当かどうかは大した問題じゃないからいいよ
レストランだっけ？早く行って、指揮官の「大問題」を解決しないと
しー……
バンジは人差し指を唇に当て「それ以上言うな」と合図をした
ルールを忘れちゃダメだよ
どうする？レストランでもいいし、柔らかい枕を探しに行ってもいいし……
とにかく、誰にも邪魔されない場所に行こう。君と僕、ふたりきりになれるところに
