目印を追って出口に向かって進み、最後の障害を突破したあと、この予想外の旅はついに終わりを迎えた
眩しい白い光が全てを包み込み、光が徐々に薄れると、目の前の世界は元の姿を取り戻した
薄暗い通路、傾いた照明、そして背後に開いた重厚な金属製の扉
ラッキーでしたね……もし脱出用出口が基地内のどこかだったら、もっと時間がかかったかもしれません
彼女は振り返り、扉の向こう側をしばらく見つめ、静かに感慨にふけった
なんだか、すごく長い道のりを歩いてきたような気がします
……
リーは静かに俯いていた。ここでの経験を回想しているのか、それとも自身の機体の状態を確認しているのか……
ある意味、この経験は特別な「夢の旅」といえるかもしれませんね
彼女の指先がそっと虚空をなぞった。まるで、過ぎ去った経験を音に乗せようとするかのように
指揮官!皆さん!
声のする方を見ると、ピンク髪の構造体が駆け寄ってくるのが見えた
よかった……
リーフは胸の前で両手をぎゅっと握り、全員の無事を確認すると、安堵のため息をついた
ギィィ――
まだ話が終わらないうちに、背後の金属製の扉が再び振動しながら動き出した
慌てて振り返ると、扉がゆっくりと閉まっていく。重々しい音を立てながら、内部の世界を再び封鎖した
しばらく様子を見て、何も起こらないことを確認すると、高ぶっていた気持ちがようやく落ち着いてきた
疲れを癒すため、そして次の指示を待つため、基地から遠くない場所で休むことにした
廃工場を出て、地下遺跡に入った時……
そんなことが……
リーフは、ルシアやリーに基地内での出来事について色々と質問していた。干渉のせいで端末の映像を同期できなかったため、皆が経験した「幻境」に興味津々の様子だった
端末で編集していた任務報告に視線を戻した
今回の任務結果をどう報告するおつもりですか?
隣にやってきた含英が小声で訊ねた。そして、すぐに付け加えた
もし話しにくければ、これ以上訊きませんのでご安心を
私はこの件をネヴィルさんに全て伝えるつもりです。ただ、この基地に関して……彼と空中庭園の意見が合わないかもしれないでしょう?
そうですね
自分と含英がそれぞれ報告を終えた頃には、リーフの好奇心も満たされたようだった
なんだか面白そうですね。皆で一緒に仮想世界に入って、現実では体験できない冒険をして、現実では見られない景色を見るなんて……
危険がないとわかっていれば楽しいですね
変なバグがないことも重要です
本当に興味がおありなら、セージ様が発明した「全感覚模擬装置」をお勧めします。同時に何人まで接続できるのかわかりませんが……
ピコン――
端末の通知音が鳴り、任務報告に返信があった。基地の後処理は他の執行部隊が引き継ぐそうだ。これからグレイレイヴンは――
端末が投影した立体地図に、次の目的地が明示されていた
ちょうど同じ方向ですね。もしよろしければ、もう少しご一緒してもいいですか?
今は……
最後に忘れ物がないかもう一度確かめ、出発準備を終えた皆がこちらを見た