そこは、廃墟が砂漠に覆われた世界だった
太陽が眩しく輝き、じりじりと照りつけてくる。ナナミはもはや動かないウァサゴの側に座り、ローラーを修理していた
やっぱり、すぐに砂がローラーに詰まっちゃう……いいオイルを使っても、なんかイマイチなんだよね……
ナナミ知ってるよ、この世界って気象が異常なんだよ
彼女は眉をひそめながら足を振った
ナナミの演算って同じ時空座標を使ってるんだけど、たまにタイムリープが起きちゃう……さっきみたいに
時間は、雪と砂に吸い込まれたように瞬時にふたりを通りすぎ、一瞬にして厳寒から酷暑に変わった
ナナミ、この世界では……人間を見たことないの
ここに何が起こったのかはわからないし、原因もわからない
だからナナミ、ここはあんまり好きじゃないな
再びローラーにオイルを注ぎ終えると、ナナミは砂地からぴょんと跳び上がった。そのままこちらに近付くと、いきなり抱きしめてきた
ふぅ……
よし!ナナミ、チャージ完了!
やっぱり指揮官と一緒なら、何も怖くないね!
ここにはもう情報はなさそうだし、次の場所に行こっ!