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第3章
何ですって!あのライエンが偽物!?
はい。お話されたという日の遅くに、我々が医療部門の配管の中で倒れているライエン先生を見つけました
彼によると、半日以上は気を失っていたようです
彼は犯人の姿を見たの?
兵士は首を横に振った
どうやら、この研究所の安全レベルを再評価する必要がありそうね
今回の被害は?
それが……実はこれといった被害はなく
唯一なくなったものといえば、古い倉庫に置いてあったコーヒーカップのみです
そうして、ラミアはそこを離れた
<para\>グレイレイヴンと赤髪の構造体がここを離れる時、ラミアはアトランティスを沈めることもできた<para\>だが彼女はそうはしなかった
<para\>空中庭園の部隊が初めてここに派遣された時、侵蝕体を操って襲撃することだってできた<para\>だが彼女はそうしなかった
<para\>あの人たちが本来の生物の権限を書き換えている時、止めることもできた<para\>だが彼女はそうはしなかった
アトランティスも、彼らも、彼女の故郷も確かに存在していた
彼女の宿願はもう果たされた、だけど彼らの戦いは?
<para\>彼らは、このアトランティスという墓標が永遠に寂れていくことを望むだろうか?<para\>それとも墓標から新たな花が咲き、果実が実るのを願うのか?
一瞬のうちにラミアは結論を出した
だから、この寂れた海の要塞が活力を取り戻すところを彼女は静かに眺めていた
長い間眠っていた脳が再び思考を始めるかのように
ここはもう彼女の帰るべき場所ではない
彼女は使命を成し遂げた、役に立つ子だ
だが彼女を認めてくれる人々はとっくに死の海へと沈んでいる
彼女は色褪せたコーヒーカップを抱えた。まるで人魚姫が消えゆく泡を抱擁するように
彼女は海岸へ、そして究極の静謐へと泳いでいく
さよなら
