ハハハ、やっぱり続編があるのかな?
ずいぶん派手な舞台だ……どこか黄金時代のおかしなバラエティーショーを感じさせるね……
ロランは舞台上で優雅なポーズを決めた
知ってたっけ?私は黄金時代、それなりに人気のある役者だったんだ。どうだろう、ショーをご所望かな?
善意に満ちあふれたこの旅の——お返しにね
ハハ、あんたは今――実に大きな魚を逃したね
ロランはおどけた仕草で指を1本振ってみせた
じゃあ――ショーの開演といこうか
ロランは一瞬でこちらとの間を詰めてくると、自分を隅の方に追い込んだ
私は役者なんだ、当然、共演者がいる……
それじゃあ、セリフを始めるよ
ふうん、残念だな。じゃあ、ショーは続けられそうにないね
しょうがない、お礼として何が知りたい?
昇格ネットワークの真相?あるいは私個人の趣味について?こちらは何も隠すつもりはないんだ、こんな空間まで連れ出して何を訊きたいんだい……
どうしてこんな迷路をする羽目になったのか、手短にロランに説明する
バレンタインか……ハハ、安っぽいけど普遍的ないいテーマだね
結局のところ恋人なんて、操り人形と何が違うんだい?
どちらも同じだ、相手の動きに注意する、それだけだろう?
恋人同士の関係とは、見えない糸で結ばれているようなものだ。真に相手のための思いやりと糸で操るような動き、違いは一目瞭然だろう
ふうん?本当かな?
ロランは一笑に付した
じゃ……この行動はただの芝居か、それとも心底からのものなのか、果たしてあんたに感じ取れるかな?