あれ?ごく普通の舞台みたいだね
他にはイベントはなさそうだし……
バンジはすぐ側にあったプレゼントボックスを手繰り寄せると、そのまま床で寝ようとした……
うん……意外といけるかも
指揮官にもらった枕を持ってきてないから最高とはいえないけど、戦闘後の廃墟とか、他の場所と比べたら……
ぜんぜんマシだよ
バンジは両手を胸の前で合わせ、気持ちよさそうに床に寝転んだ。とてもリラックスしているようだ
ふわぁ……まだ他に何かあるの?
呼びかけにバンジはアイマスクを取ると、再びトロンとした目でこちらを見てきた
「バレンタインテーマの迷路」で惰眠……それはちょっと違う気がしたのだ
ビーチねぇ……まあいいか
バンジは素早く立ち上がると、こちらの後についてきた。やがて、歩き心地のいいビーチまでやってきた
確かに……悪くはないね
自分が言葉を返す前に、バンジはさっさとビーチの隅の方に寝転び、仮想空間の空を悠々と見上げている
指揮官も一緒にどう?砂、気持ちいいよ
バンジの声には眠気を誘う魔力があるようで、思わず彼に続いて砂の上に寝転んでみた
本当だ……確かに悪くない
メンテナンスカプセルとはまったく違う感触に包まれていると、辺り一帯の砂浜には規則的な波の音が響く
……ふわぁ、やっぱり指揮官の傍はよく眠れる……
ウトウトする中、バンジの声が微かに聞こえたようだが、何を言っているかはっきりとは聞き取れないまま、甘い夢の中に誘われた……