何だと?まさか本当に飾りつけてあるだけとは……
カムは率先して舞台に駆け上がると、そこらにある綺麗なプレゼントボックスを一切の迷いなく乱暴に開けていく
この場所を作った機械体もプレゼントボックスに入れるべき正解を知らなかったせいか、カムが手に入れたのは隙間を埋めるための梱包材と複数の箱だけだった
おい……こんな日にこんな面倒臭い迷路をさせておいて、普通はゴール地点に特別なプレゼントを用意しておくものだろう?
まあ、普通に考えるとそうなのだが……
「外見」は再現できても、「プレゼントボックス」の中には「プレゼント」を入れるべき、そういう人の行為が機械体には想像できなかったのだろう
チッ……手間をかけやがって
ちょっと待っていろ
カムは慌ただしく舞台の一角に行くと、こちらに背を向けて何かをし始めた
……完了だ
向き直ったカムの手には、先ほど彼が開けたプレゼントボックスがあった
そのプレゼントボックスにはラッピングし直された跡があり、リボンの結び方はかなり雑だったが、中には確かに何かが入っているようだ
お前にやる
おい、気付かないふりはよせ
それ以外に何がある、爆弾でも入っているのか?
さっさとしまっておけ、ここで開けるなよ!
箱はなかなかの重量だった。カムは一体何を入れたのだろう
言っておくが、これはさっきのあの面倒な迷路を一緒にクリアしたお前へのプレゼントだ
まあいい、次は何をするんだ?
もう空中庭園に戻るか?行きつけの店に新しいメニューができたらしい、お前にただ奢るのは気がすすまないが……
……っておい!ここで開けるなと言っただろうが!