舞台に飛び上がると、ヴィラは少し手持ち無沙汰なのか床を踏みつけている
侵蝕体が突然現れたりしないか、期待した私がバカだったわ
チッ……
別にあなたと一緒に過ごすのはいいとして、こんな危険要素ゼロの迷路だなんて……
平和には慣れてないの
ヴィラは気怠そうに柱に背をもたせかけ、周囲の環境を見回している
ええ、好きじゃない
まず第一に似合わないし、私もこんな乙女なのは好みじゃないの
「ロマンチック」「花」「バルーン」ね……はぁ
でもまあ、ごくたまにこういった場所で愚にもつかないミニゲームを一緒にするのも、それなりに楽しかったといえなくもないわね
ヴィラはこちらを振り向いて、笑いながら横目で見つめてきた
お口直しに、「面白いこと」をしてあげましょうか
何·だ·と·お·も·う?
一瞬でヴィラの顔が目の前に迫ってきた――彼女は指を握りしめ、次に思いっきりこちらの額を指で弾いた
次にこんなイベントがある時は——私だけを誘って頂戴
ハッ、あなたって、何もわかってないのね
欲張り、それの何が悪いの?
まあいいわ、しっかり覚えておいて
こういった「特別なイベント」に、私以外の人を誘ったら……殺してあげるから