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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.

序幕 眠らぬヒバリ

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指揮官、到着しました

揺れっぱなしの輸送機から逃れ、地面に足をついて深く息を吸い込んだ。目の前にある広大な都市を見上げると、この輝かしい町に思わず感嘆の声が出る

「エコー」との戦いを経験し、セルバンテスはコンステリアの管理を空中庭園に引き継がせたが、その理由については詳しく伝えなかった

あれから世界政府芸術協会は一部の人員をコンステリアに駐屯させていた。彼らがまた何か新たな発見をした、そんな話がしょっちゅう耳に入るようになった……

こんなに急いでグレイレイヴンをコンステリアに向かわせるなんて、一体何があったんでしょう?

指揮官――、ここよーここ!

ピンクの髪の構造体は、駐機場で元気いっぱいに手を振っている

アイラさん、相変わらずお元気そうですね

そうこう言っている間に、アイラはすでにこちらに走ってきていた

ナイスタイミングよ!あまり時間がないの、歩きながら話しましょう!

自分についてくるよう目配せすると、彼女は急いで前方へと歩き始めた。興奮と期待の気持ちがありありと顔に表れている

私たちはコンステリアで、特定の時間帯しか開放されない新たな「展示館」を発見したの!

この展示館、ある特定の日と関係があるんだけど——どの祝日か当ててみて?

ええっと……一体どの祝日でしょう?

提案に乗ったルシアの返事に、アイラは更に楽しそうな微笑みを浮かべた

じゃじゃじゃん——バレンタインデーでしたー!

……実にくだらない

バレンタインデーですか?とてもロマンチックな行事ですね

でしょ!黄金時代には、人々はこの日にお互いプレゼントを贈り合って、ロマンチックな時間を一緒に過ごしたんですって

この展示館、実は「バレンタインデー」をテーマにしているの。だから最近になって自動的に開放されたんじゃないかと思うわ

あちらの建物ですか?

歩きながら話している内に、いつの間にか「神秘的」かつ「バレンタインデー」をテーマにしているあの展示館の近くにたどり着いていた

まるで七分咲きのバラのように展示館の外縁が幾重にも広がり、名前も知らないバイオニックバードの群れがさえずっている

可愛い鳥さんたち!

私もこの展示館の資料を調べたんだけど、この鳥たち、ヒバリっていうらしいの。愛と勇気を象徴する鳥なんだとか

で、グレイレイヴンは何をすればいいんですか?この展示館を丸ごと潰して、中の構造の確認作業でもしますか?

ちょっと、落ち着いてって!

今まさに銃器を組み立てようとしているリーを止めると、アイラは手を後ろに回し、こちらに微笑んできた

えへへ、実は、もうちょっと実験のサンプルが欲しいのよね

この迷路をクリアするにはふたりの連携が試されるらしいの。世界政府芸術協会のスタッフも大勢チャレンジしたんだけど、誰ひとりクリアできなかった

連携といったら、グレイレイヴンよねと思って!

……はぁ

たまたま、ある極·秘·情·報·筋からあなたたちのスケジュールを入手して、すぐセリカに今回の任務内容を送るように伝えておいたの

確かに、このところは緊急任務があまりなかったが……

指揮官にちょっとした贈り物を特別に用意したわ!見て——

バレンタインデー特別バージョン·サメピーの着ぐるみ!

空から舞い降りたサメピーは茨の迷路をくぐり抜け、仲間を出口へと導くだろう——キャッチコピーも考案済よ!

休暇にアトラクションを楽しむと思って。コンステリアの面白いところは、まだまだたくさんあるんだから!

指揮官が仰る通り、皆で一緒に休むなんて、久々ですし

ちょっと、別に誤魔化さなくていいのよ!あなたたちにはここ最近、そこまで急な任務はないみたいってセリカから聞いてるわ

指揮官、確かにここのところ、休まれてないですよね……いっそ、この機会に皆で羽を伸ばしませんか?

やったー!!

入り口はここよ!

入り口には「謎境の誓い」という文字が可愛いらしくデザインされた鉄の柵があった。そこでヒバリと呼ばれるあの小さな鳥が、柵に乗ってさえずっている

ここで「謎境通行証」がもらえるわ——いわゆるここの入場券というやつね

毎日受け取れる数には限りがあるので、お忘れなく

アイラは笑っておどけて見せながら、展示館のメインゲートを力強く開いた

じゃあ指揮官——謎境の誓い、「眠らぬヒバリ」へようこそ!