こちらで間違いありません。指揮官、目的地に到着しました
何度も砂嵐を抜けて、ようやく違う風景を見られると思ったら……また砂、ですね
そうですね、何といっても緊急派遣ですから
それでは、改めて本作戦の目標を整理します
今回の任務は「砂嵐の中心」に当たるエリアの調査。エリアコードは「サンドワールプール」です。私たち以外の部隊も派遣されています
潜入任務や情報収集に長けたローズフィンチ、それに粛清部隊や急遽組まれた合同部隊……
やはり砂、じゃないでしょうか。まるで粉末状になった黄金のようだ……
砂は関係ないんじゃないでしょうか。少々変わった砂があるという理由だけで、本部が私たちを派遣するとは思えません
といっても、この一面の砂ですよ?何らかの装置によって集積されている……こんな広大な地域を覆い尽くすくらいだ、巨大な装置に違いない
リーフ、ローズフィンチに連絡できますか?彼らなら、ある程度情報を持っているでしょう
駄目です、何度も試しましたが連絡が取れません。ひょっとしたら、あちらの通信設備が故障しているのかも。もう一度やってみますね……
ローズフィンチの装備は限られていますが、通信設備は最先端のものが配備されているはずですよ……
……この場所のリスクファクターを再計算する必要がありそうですね
指揮官、12時の方向より何かが接近してきます
リー、武器を構えて
ま……待って、くれ……敵じゃ、ない……
リーフは指揮官をお願いします。リー、目標が少しでも手を動かしたら、即攻撃してください
……ずいぶんと傷だらけですね
……bで、あg、違……すまない、発声モジュールの調子が……腕を、上げようと、しても……上がらない……
ローズフィンチ隊長、ブラウニング……意識海コードで、身分を、証明……できる……
何があったんですか?他の隊員は?
ぜ……全員、捕まった……俺の、せいで……俺の、せい……
まずは落ち着いて、詳しく教えてください
やつらが……一斉に湧き出て、待ち伏せ……罠だ、隊員は……俺を助ける、ために……やつらを……
やつら?侵蝕体ですか?
いや、機械……機械体……
頼む、どうかローズフィンチを……俺では、駄目だ……やつらに……勝てない……
しっかりしてください!ローズフィンチの隊員は、今もあなたを信じているはずですよ
俺は……役立たずだ……隊員たち、の期待を……裏切った……
指揮官、少しよろしいですか?
ブラウニングの状態は不安定です。自分自身を許せないんでしょう
意識海コードと構造体の機体モデルは全て合致しています。彼は間違いなくブラウニングだ。ですが……
あくまでも僕の直感ですが、何かがおかしい。といっても、今のところ何ができるわけでもありませんが……
私もおかしいとは思いました。でも、ここまでの経緯を考えたら、多少おかしくなっても仕方ないのかもしれません
「機械体」というのが気になりますね。侵蝕体とはどう違うのでしょう
ローズフィンチの救助に行けば、機械体とも遭遇することになるのでは?
指揮官。ローズフィンチの救助を行っても、私たちの任務に支障は出ません。むしろ、ローズフィンチが握っている情報を利用できるようになるでしょう
了解です、指揮官
山ほど、いる……機体も……武器も、さまざまだ……
サンドワールプールは……建造物、だ……そいつに近づくほど、機械体は……増える……すんなりは、入れない……
ローズフィンチが通ったルートをなぞってサンドワールプールに接近することは可能ですか?
俺たちは……アクティブ方式の誘導装置で……やつらと距離を取って……建物に接近した……
装置は……逃走時に、落とした……ポイントは……覚えている……
僕が探しに行きましょう
いや……アクティブ誘導は……ふたり必要だ……誘導時間は、短い……必ず、内外呼応……外にふたり、中にふたり人……あんたの、機体は……合わない……か、彼女が、いい……
私ですか?
あんたは、補助型……だろ……俺も、同じだ……俺たちが、外で誘導し……他のふたりが中へ入ったら……装置のコントロールを移譲して……俺たちも、入る……
そういうことでしたら、私が行きます。装置の操作も得意ですし
ブラウニングがこうも瞬時に作戦を立案できるとは……
リー……
リーフ、本当に大丈夫ですか?
はい!大丈夫です!
……わかりました。常に進捗を報告すること。敵に遭遇しても無闇に交戦しないこと。ブラウニングの機体は状態が悪いので、危険な時は必ず……すみません、うるさく言いすぎました
ルシアとリーさんも、無理をしないでくださいね。指揮官が隣にいることをお忘れなく