誰かが丘の上に立ち、黙って遠くの075号都市を眺めている
廃都市の大地の上に大量の赤いパニシングの結晶が突き出ている様子は、まるで巨大な墓標のようだった
彼女は長い間それを見つめていた
突然、抑揚のあるメロディーが風に乗って聞こえ、彼女の思考を中断した
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長く悲しげな、助けを求めるクジラの歌のようだ
彼女は音がする方を見てみたが、目に映るのは荒れ果てた光景ばかりだった
一瞬、思いに沈んだあと、彼女は音がする方向に向かって歩き出した