今はただ、あなたの奇跡のような物語を聴きたい。誰もがそう望んでいるのだ
では王よ、我が邸宅までご案内申し上げます
来たるいとまに、私めがあなたの疑問を解き明かしましょう
今はただ、心明るく、万事つつがなしと思われよ
……
ミラノ大公はミラノを追われたが、荒れた孤島にて再び自らの国を得た。彼が子孫はナポリの王族となった
そして我らは正気を失うも、今再びおのれを取り戻すことができた
これほどに喜ばしいがことあろうか!我々をここに導きたもうたのは、神々の御心に他ならぬ!
こうして、ミラノの公爵はたとえ苦難に遭遇しようとも、決して復讐の道に堕ちることはありませんでした
過ちを犯した人々の改心を見届け、全ての人を許したのです
時は流れ、波風は徐々に静まり、最後には日々の生活の中の些細な波紋へと収束していきました
……ナポリの人々は言います。日々の暮らしは輝かしく、ここは浄土であると
たとえ略奪や争いが起こっても、ナポリは希望溢れる道を進んでいくのです
セレーナ……これが私に見せたかった結末なの?
あなたの意図が理解できない……
原作通りのハッピーエンドに何の意味があるの?つまらないわ……悲劇に変えた方が、人の心に響くんじゃないかな……
ごめん、セレーナ……私にもまだわからないの……