動作モジュール損傷率、90%超過……
もう無理だ……
僕に構わないで……早く自分の隊と合流してくれ……!
ダメだ!お前を置いて行くもんか!
……逆元装置が破損しない限り、僕は大丈夫だよ
機体の損耗は、回収して調整して、それからリセットすれば……治る……
そんなこと言うな!!!
リセットしたら……俺たちの出会いも!一緒に過ごした時間も!全部なくなっちまうんだぞ!
……それが構造体の宿命じゃないか
このままだと、侵蝕体に囲まれてしまう……どうかお願いだ……早く……行って!
嫌だ。お前が何と言おうと、俺ひとりでは行かない
俺たちは一緒に帰るんだ!
……
こちらカムイ、こちらカムイ。第1小隊のカムイだ。ルシア?ワタナベ?誰でもいい、支援を要請、支援を要請。座標は……
ザザザ――
クソッ、こんな時に限って通信状態が……
カムイ、後ろ!
!?
コウヤ!?
し、しまった……
逆元装置が……
ギギギ――ッ!!
ギィ――!
離れろ……!僕に構うな!
コウヤ、俺の手を掴め!!
くそっ!化け物がッ!
さっさと離れろ!!
カムイ……
カムイ……僕は……
諦めるな、コウヤ!!
早く手を掴め!!俺が、俺が守るから!!
……後ろ……気をつけて……
ギギィ――!!
キィ――!
侵蝕体の奔流がコウヤに襲いかかる
ほんの一瞬で、その全身が黒い濁流に呑み込まれた
コウヤはカムイに向かって必死に手を伸ばす
しかし、カムイに届いたのは、声だけだった
身体を引き裂かれる痛みと恐怖と絶望の、断末魔の声
くそっっっっ!!
コウヤァァアアァ!!!
う……うあああ……
……
……………………
ああ……本当にうるさいな、ゴミどもが……
キィ——!
黙れ
キィ……
くくく……ふはははは!!!
この身体を傷つけようなんて……
お前らゴミに、できるはずもない