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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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大切な記憶

[player name]

君ひとりだけなの?

私……

私だけです

最初からずっと私だけだった

孤独とは、この世界で最もありふれたもの。これまでに話しかけてきた全ての者を、私は同じように拒絶し続けてきた

[player name]

……奇遇だね、こっちもひとりなんだ

え?

予想外の反応だった。初めからそうだったのか、それとも私が頭を上げたタイミングを狙ったのかはわからないが、その人は笑っていた

少し照れているような、暖かい笑顔

そんな笑顔を向けられても、どうすればいいのかわからない

あなたは首席だったんでしょう?そんな人がひとりなわけありません。そんな人に、私の気持ちなんてわかるわけない!

[player name]

わかるよ

どういう意味……

[player name]

一緒に行こう

夢があるんだ。でもそれは、ひとりじゃ叶えられない

それなら、他の隊を当たってください

[player name]

君じゃないと駄目なんだ、孤独を理解できる君じゃないと。孤独だからこそ、人は人との繋がりを求めるんだから

ルシア、協力してくれないだろうか?

そう言って、その人は手を差し出してきた。握手を求めているのだろう。だが……

この隊で、あなたができることはありません。隊員不足の小隊を空中庭園が出撃させることはないでしょう

[player name]

じゃあ隊員を集めればいいんじゃない?何にしたって最初はいちからなんだし

いちから始まる……

[player name]

そう、最初から始めるんだ。首席の肩書も、経歴も、何もかも捨てて

これから始まる今が、何よりも大切なんだから

何よりも、大切…………私もそれを手に入れられますか?

[player name]

もちろん。約束する

あなたは一体……何をしたいんですか?

パニシングを消滅させる……?まだその本質すら捉えていない私たちに、本当にできるんでしょうか……

……いえ。あなたについていけば、きっと……できるような気がします……

目の前にいる人間の言葉には、自信が溢れている

そして、その言葉のために一切を捧げるという決意もまた、満ちていた

皆の笑顔……?本当に変な方ですね……いえ、失礼しました

本当に実現できるというなら、私も皆の笑顔を見てみたいです

皆が笑顔でいるなんて……きっと、とても素晴らしい世界なんでしょうね

[player name]のいう世界は、どんな世界なんだろう。そして、そこにいる自分は一体どんな存在なんだろう……

その時きっと私はもう、ひとりではない。ひとりなのかと問われたなら――

「いえ、皆がいます」と答えられるだろう

これから……?

偉そうに言っておいて、まだ何も考えていないなんて

私がひとり立っているのを見て、歩み寄った。それだけのことだったのだ

指揮官はそういう人だ

だから私は、差し出されたその手を握った

この手だけは絶対に、絶対に離さない