Video: A含英版本_文案剧情过场_给蒲牢送U盘
数日後、機械教会
いや~本当に残念だな……
同じ亜人型だったんだろ?その友人は修復可能だったのに。記憶モジュールだって一緒に修理できたはず
なんでネヴィル様の技術を信じてくれないのかねえ
残念だ、実に残念だ
別に、残念なことではありません
これは彼自身が選んだ道だし、そこに干渉するつもりはないですから
まあ、そこまで頑なにそう思うなら、何を言っても無駄だけどな
含英は?あっちはどうなった?
彼女は……九龍に戻りました
帰ったばかりなのに、また行ってしまったと?
彼女はアルカナの誘いを受けました。アルカナは九龍の同胞を助けるために、彼女に九龍地区の活動を任せたんです
ふん……それはそれでいいけどよ?俺たちは九龍地方の機械製造技術をほとんど知らないしな
ネヴィルは舌打ちをすると、手の中の発明品をいじり続けた
ネヴィル
うん?どうした?
数日前、含英がアルカナの誘いを受けた時、なんだかアルカナの表情が妙だったような……
ああ、それか。お前はまだ知らないもんな
「吊された男」のポジションは、いつものような「消耗」によって空いたんじゃない
どういう意味です……まさか含英が?
違うって、先代の「吊された男」のことだよ!
ずっと前――まあ、それほど前でもないか。十数年前だ。お前はまだここにはいなかった
教会内部のいくつかの原因によって、「吊された男」のポジションを与えられた同胞は、教会に加入したその日に亡くなったんだ
あれからこのポジションはずっと空席だった。セージ様が含英を呼び起こすまではな
……教会に入った日に亡くなった?
思うにアルカナはその時のことを思い出したんじゃないかな?
それより前の「吊された男」たちはおかしな「消耗」ばかりだった。その交代頻度は、戦争向きの「戦車」や「運命の輪」よりも頻繁だったよ
もしかして……一度は「死んだ」含英なら、そのポジションの「呪い」から逃れられるかもな
ネヴィルはまた存在しない顎をこすると、意味深な様子で話し続けた
でも、彼女とそのポジションの関係はある意味「宿命」かもしれない
少し前、夜航船の船底、第2牢獄の奥――
現実に飲み込まれたご感想は?
がらんとした牢屋に、ひとりの男が入ってきた。光がなくても、ゆりかごはその男が誰なのかをすぐに察した
フン、私を笑いに来たか
お互い過去という棺に入れられた死体同士だ。まあ、お前の棺の方が豪華かもしれないがな、胤
……ちっとも変わらないな
あんたのその拗ねきった顔もな
山にいたゆりかごの残党はほとんど捕まった。今聞いたばかりの情報では、お前の「旧友」も死んだとか
お前も、お前たちも、もう終わりだ
胤は明らかに挑発してきているが、ゆりかごは牢屋のベッドにただ座ったまま、窓をまっすぐ見つめていた
ハハ、そもそもとっくに終わってたんだ
全てのことには因果がある。こうなることは彼らもとっくにわかってただろうよ
彼が……思えばもう相当な歳だったしな。死んでも別におかしくない
そうだな、お前にも因果の終わりを提供しようか
胤はポケットから何かを取りだし、ベッドに置いた
それは一丁の拳銃だった
お前のために用意した。一発の弾しか込めていない
ふぅん、私がお前について自白するのを恐れているのか?
あの件はもう九龍の歴史になっている。暗殺者を囲い、反する党と結託し、九龍の主を暗殺した。いや、未来の九龍の主たる人物をな
私が死ねば、彼らはお前がしたことを忘れるとでも?
……若いやつと違い、お前は組織の中であの一件を経験した最後の人物だ
体面を保って最期を迎えたいだろう?
ゆりかごは黙り込み、ベッドに置かれた拳銃に手を伸ばした
しかしすでに老いた彼にとって、その銃は重すぎた
体面……最後?
最後まで彼女が話した通りだな……
漆黒の銃口が胤に向けられた――銃を握る手は歳のせいかぶるぶると震えている
……
焦るなよ。ただ私が本当に生きているかどうかを確かめたかっただけだ
はははははは、なんだ、お前、怖いのか?
いや、お前が怖がるもんか。どうせその懐には銃があるんだろう
だが……お前は恐れるべきだろうな。私は夜航船の最後の囚人だ。夜航船の中で死ぬのは当然だが
この時代、お前を乗せる船はもうないぞ
こういう時のために、遺言を残すべきだったな?惜しいことをした……
バン!
天文台の最上階からは、港の先にある海と空を繋ぐ、細くて白い線が見えた
高台から吹き降ろす風が、荒れ果てた池に波紋を広げている
昔も今も、彼女はここから九龍を眺めるのが好きだった
もし統治と責任という羽毛さえなければ、彼女がいかに羽を広げてこの街を包もうとも、街には何も影響しないだろう
街と人、山と海、その全てが
微かな揺れとともに、白圭の投影が現れた
曲様、船の者たちが戻りました
見ていました
ご所望の物は、天文台の漸遺に用意させました
ええ、ご苦労でした、白圭
恐れ入ります……ですが曲様、ひとつ伺いたいことが
何でしょう?
城外の民の現在の様子を見るに、彼らは自給自足できているようです。しかも組み立てられた浄化塔を街に運んできていました
我々がパニシングに対抗していた時、彼ら……裏切り者たちは故郷を離れていました
彼らや彼らの子孫に対し、こちらがここまでする必要があったのでしょうか?
裏切り者……ですか
九龍環城にいわせれば、私たちも裏切り者になるでしょうね
……
彼らはかつて九龍の身分を嫌悪し、ここを去った。でも彼らが再びこの土地に戻ることを渇望したのであれば、九龍では皆を平等に扱います
ただし九龍を傷つけ、裏切った者たちには罰を与え、彼らを歴史の恥として刻み込みますが
でも……結局、母は子を拒めないものなのです
風は半壊した天文台を通り抜けた。僅かに明かりを灯した船を遥かに超えて、海と空が接する方へと向かっていく
朝三暮四の政治、陰険な人心。どれも吐き気がする
僕はこれから「ゲシュタルト」というAI技術を開発している科学理事会に行ってみる
絶対的なロジック、絶対的な理性……それこそが人間の劣性から解放され、完璧になれる唯一の術だ
何年も経っているのに、お前にはまだ理解できないのか?悲しいものだな
統治とは、ただの偽りと愚昧さの上に築かれた関係性にすぎない
ハッ、だがお前には理解できないだろうな
お前に彼女に命名する権利などない
……華胥、彼女の名だ
彼女はこの街で唯一の完璧な存在になる
彼女は自分と同じ血を分けた弟を一度も責めたことはなかった
血と土地は、彼女が気ままに過ごすことを許さず、彼女をどこまでも縛りつける
彼女は九龍のためにさえずる孤独な雀であらねばならない。だがこんな寂しい雀は、1羽いれば十分のはず
もし責任を負う必要がなく、自分で道を選べたとしたなら、彼女は何になっていただろう
人間の劣性から解放され、完璧になれる……?
でもあなたが作った機械はむしろ……九龍人そのものよ?ヴィリアー
……曲様?
他に何か用が?
負屓からの報告ですが、必要とされているデータはまもなく準備が整うそうです
ええ、私の指示通り進めなさい
お訊ねすることをお許しください、万世銘のデータを外部の者に見せることは妥当なのでしょうか?
何ら不都合はありません。彼女への謝礼……といえばいいでしょうか
わかりました……それと、もうひとつ
先日、身元不明の女性が空中庭園から九龍へやってきました
彼女は城外の夜航船に乗り、そこにいる者と話し込んでいたそうです
白圭の投影データが1枚の画像に変わった――
ボロボロの朝食屋の店内で、不思議な服を着た女性が机の向こうの嘲風と何かを話している
この者は……
曲様はこの女性をご存知なのですか?
杜衡を覚えていますか?
杜衡……天文の役所、「欽天監」の杜衡ですか?
そうです
杜衡は籠城戦で犠牲になったと記憶していますが
ええ。でも彼の妻が杜衡の名を継ぎ、生き延びました。あの防衛戦の際、私は彼女に九龍には戻るなと伝えました
あれから何年も経っていますが、彼女も歳をとりましたね
彼女はまだ我々に接触してきていません
何か考えがあるのでしょう。フラフラしているように見えて、実は繊細で律儀な人です。とくに心配する必要はありません
仰せのままに……では、私はここで
白圭の声は電流のノイズとともに消えた
駒を置く者、なにゆえ自ら盤上に出る……
夜航船が停泊する港の深夜。すでに往来する人は少ない
含英は静かに海辺に立ち、たくさんの人や荷物を載せた巨大船を眺めていた
こんばんは、含英
杜衡さん
九龍を出たと聞いたけど、また戻って来たの?船には戻らないの?
……いいえ
九龍とは別の場所に、私の使命があるんです
なるほどね。でも家って、遠く感じる時と近く感じる時があるわよね
そちらは?船には戻らないのですか?
「雲辺の孤雁、水上の浮草」って、まさに私たちみたいな人のことよね
この船も私がいるべき場所じゃない。あなたと同じように、私も自分の使命がある
私は独りだけど、妹さんは?
彼女も夜航船や九龍で、やるべきことや守るべき人がいます
もう子供ではありませんし
杜衡は頷き、含英の横に立つと一緒に目の前の夜航船を眺めた
時間があれば九龍に戻ってほしい。遠くない将来、九龍は過去の栄光と繁華を取り戻すはずだから
そうなったら一緒にお茶でも飲みましょうね、奢るわ
杜衡は含英の肩をポンと軽く叩くと、振り返りもせず去っていた
寂しい港に、ぽつんと含英だけが佇んでいた
彼女は銅製のカードをなでながら、遠くない船を見つめている
そのカードにはローマ数字の「Ⅻ」と、夜空の下で逆さに吊された顔の見えない男の姿が刻まれていた
雲辺の孤雁、水上の浮草……
夢のごとく、しばしこの生を送る……
彼女はすでに真実と夢を理解した
彼女はすでに生と死を理解した
本当の「心」とは何かを、彼女はもう追求しない。なぜなら「心」に対して疑問を抱くことこそ、「心」というパーツがあることの答えだと知ったから
残る疑問はひとつ――
岸に大波や小波が打ち寄せる。同じように時間の車輪が九龍の土地を時に大きく、時に小さくなりながら転がっていく
寄せては返す潮の音とともに、その人影は九龍の夜に消えた
――心凪ぐ場所、それは我が故郷なり
その夜、懐梧山の深い山中――
数日前に受信したあの出処不明の情報をもとに、杜衡はゆりかごの実験施設がある山頂の大殿にやってきた
はたして古刹である大殿の地下に研究室が隠されていた。その規模は上の大殿とほぼ同じ大きさだ
……まさかこんな山奥にこれほど複雑な基地を隠していたとはね
つまり、これがいわゆる「ソースコード」ね?
十数mほどの高さの真空カプセルの中にあるのは、なんとも形容しがたいものだった
内部でさまざまな基盤ユニットやケーブルが交錯し、色鮮やかに点滅している
その上部にはいくつもの監視モニターが設置され、山の中や桟道を歩く人影を映し出している
それはまるでコードやチップで形成された巨大な心臓のように、データと電流という血を絶えず送り込んでいた
最初から見た目などは考慮せず、ただひたすら組み合わせただけなのかもしれない。結果的には補修の跡と傷だらけの電子「心臓」のようなありさまになっていた
……狂ったハッカーの手で、こんな狂ったものを作るのは、当然といえば当然よね
彼女は呆れたように首を振り、実験台を操作しながら何かを探し続けた
ねえ、見えているわよね?
ああ……ハッキリと見えている
華胥、機械体、北アジア生命科学と進化研究所……何でもありのごった煮ね
華胥が作った万世銘を模倣しようとしたハッカーたちが、北アジア生命科学と進化研究所の脳科学技術まで盗んでいたことはわかっている
彼らはヴィリアーの技術の一部しか知らない。当然、華胥を作り出すことも万世銘を作ることもできなかった
全て借り物の技術ばかりだ。世界を変える技術など、そうやすやすと創り出せる訳がない
でもこれも……新しい挑戦ともいえるかな?
頭がおかしいやつらの造物というだけだ。まさか万世銘を信じているのか?
信じるかどうかは重要じゃないわ
彼女はデータを間断なく送り続ける心臓のような機械をそっとなでた。その様子は新生児をなでているようでもあり、死者に別れを告げているようでもあった
私たちの切り札として、生き続けてちょうだい