オヤジ、トンポーローを追加だ
いえいえ、いらないですって。まだ机の上の料理も食べ終わってないのに!
気にすんな。まだまだ食べ盛りだろう。ああオヤジ、桂花酒も頼むぜ
田苟さん、子供の前でまずくないか
すまんすまん、まだ子供だったな。今日飲むのはやめておくか
オヤジ、すまんが桂花酒をジュースに変更だ
はいよ、すぐに
店長がいくつも料理の皿を持ちながらキッチンから現れた。いつの間にか演者たちが演奏を始め、人々は琵琶の音をBGMに賑やかに酒を酌み交わしている
パーン――
ワーオ、綺麗ですね~
夜空に打ちあがる花火が賑やかさを更に盛り上げ、お祭り気分も最高潮になった
花火の下では機械傀儡が太鼓の音とともに舞台に上がり、人々はやんやの喝采を送っている
目の前の騒ぎを見ながら、蒲牢は物思いに耽った。初めて来た町で初めて見る祭りなのに、なぜか懐かしい
よっしゃ、俺もいっちょやるぜ
田苟は剣を抜き、舞台へ飛び上がった。彼の剣が機械傀儡とぶつかり、キンキンと音が鳴り響いた。音楽に乗って彼は剣舞を1曲舞い、終わると誘うように蒲牢に手を差し伸べた
お嬢さんもご一緒に
でも私……
ホロウ、ホロウ、ホロウ……
照れるなって。皆にお嬢さんの腕前を見せてやれよ
きっと皆にとってもいい思い出になるぜ
そうですね……じゃあ、お言葉に甘えて!