Story Reader / 祝日シナリオ / 潮に願いを / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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浮く瀬もある

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巨大な波が割れ、欲望と悲哀と憎悪を象徴する躯体が砕け散った

ラミアは大きく息を切らし、これ以上自らの体を支えることができず、水中深くへと沈んでいった

ようやく終わる……

ラミアの中に安堵が広がった。それと同時に少しばかりの不安があった

あの人は無事だろうか?目が覚めたらどんな光景になってるんだろう?

ラミアにはどちらもわからない。ただ今は目を閉じていたかった。光が遠ざかり、海の底へと深く静かに落ちていくのを感じた

ザァア――

突然、海の中で聞こえるはずのない声が聞こえて、ラミアはハッと目を開けた

ラミア

ゴホ……ゴホゴホ……

ラミア

その様子だと、最後の衝撃波は受けずに済んだんだね……あなたが無事で、本当によかった……

ラミアの声は次第に小さくなり、同時に彼女の体も軽くなって、消え始めていく

ラミア

もう……残されてる時間って、ちょっとだけ……?

ラミア

そっか……な……なら最後に……あ……あなたにひとつ、質問してもいい?

ラミアは唾を飲み込んだ。彼女の声は少し上ずっていたが、必死に冷静を装って微笑んで見せた

ラミア

あ……あのね……この世界に来たばかりの時、あの日……あなたを海から……家に連れて帰ってからの数日間……

あ……ゴホッ……ゴホゴホ……あなたは……楽し……かった?

ラミア

そう……なら今度は……もっと楽しんでもらえるように頑張るね

うん、現実の世界で、頑張る……

ならよかった……少なくとも、この世界の存在は無意味じゃなかったから

ラミアの声はますます透明感を増して、やがて……

ラミア

これが夢なら……目覚めてもまだ……忘れないで……いられ……たら……

その響きは潮風に吹き飛ばされ、海へと吸い込まれていった