Story Reader / 祝日シナリオ / 遥陽絵旅 / Story

朝の突風で花びらが吹き飛ばされ、残された葉と茎だけが一面に広がっている

大成功！引力の魔法が効いたわ、引き寄せられてきた不幸な人は誰かしら？

グレイレイヴンのルシア、リーフ、リー、ゴースト状態の[player name]、魔法実行の結果を集計中です

やったあ、リーフちゃんは私のものね

アイラは側に座っているリーフに抱きつくと、彼女を自分の方へと引き寄せた

リーフ、早くセリフ、セリフ

本当に叫ぶんですか？……助けて、助けてください――

すぐに助けますから！私たちも引力の魔法を使えますよね、指揮官！

えっ？

素敵！指揮官も私のものね！

指揮官、リーフ、もう少しの辛抱です。すぐに助けますから

ルシアは長刀を振り下ろしましたが、蔓の束縛を解けずに脱出できませんでした

どうしてこうなるんですか？

グレイレイヴンのルシアは毒の影響で力が弱っており、長刀を振りおろす動作に失敗しました

知能をアップしなければよかった……

アハハハハ、全員、見せ場は終わったかしら？

アイラの魔手はリーフの体から離れると、そのまま巨大な鎌を振り回し始めた

大鎌が空を切る度に凄まじい音が響く。寒さすら感じさせる音に、体を切り刻まれる場面が脳裏にはっきりと浮かび上がる

今宵は、魔王アイラが狩りに加わるわ

今です

ドォンッ！

魔王は凍りついたような笑みを浮かべながら、そのまま倒れていく

ちょっと、ちょっと待ってよ、こんなの卑怯よ！

休憩室でアイラは台本を閉じて、ルールブックから「魔王を銃撃」する行為を阻止できる規則を必死に探している

「超時空武装」は、認知できる範囲内にある手動操作の武器ならどれでも使うことができます

そ、そうね……うん……確かに筋は通ってるわ

ルールを覆すことはできない。仕方なく、アイラは台本を開いて物語の締めくくりを語りだした

ええと、勇者一行は魔王のところへやってきて戦い、魔王アイラが魔法を使ったため勇者リーフが捕まえられてしまった

アイラは両手で頭を抱えた。この台本で撮影したらどんな悲惨なことになるだろうか……

全身全霊で想像力を働かせろと言ったのはアイラですが……

4時間ほど前、グレイレイヴン小隊が菖蒲の日の準備をしている時だった

リーフ、お菓子用の食材を買ってきました

ありがとうございます。ルシア、ここは任せてください。リーさん、ちょっと手伝ってくれませんか？

いいですよ。2分37秒、タイマーセット

全員がキッチンで忙しくしているのは、もうすぐやってくる菖蒲の日の準備のためだ

1分27秒、1分26秒、1分25秒……

……

一時中断か……

突然ドアが押し開けられた。予備のキッチンは雰囲気を出すためか、旧式の扉が設置されていた

グレイレイヴンの皆さん、一緒に映画を撮らない？

「TRPGで台本を作りながら同時にそれを撮影して、菖蒲の日に上映するの」あの時、そう言ってましたよね

それはそうだけど、物語にはドラマチックな展開が必要じゃない

ゲーム掲示板で関連ワードを検索してみました。僕の計算によれば、ルールに基づいて進行するだけで十分……ドラマチックな展開になるようです

とにかく、皆のゲームスタイルが大体わかったから、修正を加えて新しい台本にしたわ

もうできたんですか？早いですね

さぁ行くわよ、アドベンチャーワールドへ再出発！

アイラの号令でリーがコマンドを入力すると、スクロール中だったエンディング画面が消えた