……
……まだいたのか
安心しろ。人間じゃないから、死にはしない
謝ることはない。戦いに負傷はつきものだ
少しの間……休息するだけだ
……しかし次はないぞ
……
ひとつ訊いてもいいか?理想のエデンというのは……どんなものだと思う?
ハハハ、そうか、我々は大して変わらんな
ずるい答えだな
延々と続く終末の日々は、パニシングだけのせいじゃない。戦争、そして人間自身によるものだ
奪う者と奪われる者、虐げる者と虐げられる者、選ぶ者と選ばれる者……無情な繰り返しだ
そして人間は、綺麗事すら言わない傲慢な存在となった
運命と生死を掌握し、人間を取捨選択する——誰にそんな資格があるというのか
目を閉じて見ぬふりをし、見てしまったものは必死に忘れる。それでも忘れられないものは……遥か天空の場所へと逃避する。あらゆる「忘れ去られたもの」と一緒にな
——この地に立ち続け、世界の裏側で一切に抗って創り上げられるものこそ、本物の「エデン」だ
何のためだと?もちろん……私が理想とするエデンのため、だ
そうかもな。認めたくはないが、似ている部分がある……かもしれん
甘い理想主義者、か
……あなたのような
甘ったれた人間がまだいるのなら、この世界も辛うじて救われる可能性がある
しかし、空中庭園にまともな感覚の人間はもういないだろうな
なぜ私があなたを助けたかわかるか?
私のエデンは、あなたが傷つくことを許さないからだ