Story Reader / Affection / ナナミ·狂風·その2 / Story
今回のデート場所は、ナナミ博士の実験室です！
なぜなら、ナナミはこの空き部屋の責任者だからです！
ナナミが実験室って言ったら実験室なの！
とにかく、実験室でやることといえばこれ！
そう言うと、ナナミは隅から不気味な人体模型を取り出した
解体は最後だよ。と言っても、人体構造とかのデータは収集済だけど
むぅ、もちろん前回の続きだよ
今回ナナミは逆ハーをやりたいのッ！
リーフの部屋！リーフはすんごいいろんな本を持ってるんだよ！
ふふん、ナナミの学習能力をナメないでよね。逆ハーレムとは、ひとりの女の子にたくさんの男の子が群がっている状態のことだッ！
といっても今すぐ人を集めるのは大変だし、とりあえずこの模型さんと指揮官でナナミに逆ハーして欲しいの！
えへへ、協力してくれるの？指揮官、ありがと
指揮官が協力してくれないとなると、うっかり間違って基地を粉砕しちゃうかもしれないなぁ……
まずは模型さんに壁ドンしてもらうから、そしたら指揮官はドアから入ってきてね！すわっ！俺の可愛いカノジョが知らない男に迫られてる！？っていう設定です！
えへへ、ナナミが一番お気に入りのシチュエーションなの！
いいでしょ！ナナミが面白いって思うんだから！
あれ？この模型……うまく動かないな……
もう！早く指を開いてったら！
ナナミの力によって模型さんの指はおかしな方向に曲がったが、ようやく壁ドンの体勢を取らせることができた
よし、これでオッケー！指揮官はあっち！早く早く！
現場をセットしたナナミによって、物置に押し込まれる。物置の中は真っ暗で何も見えない
準備オッケー！指揮官、入ってきてくださーい！
ナナミに言われるまま、物置の扉を開いた
準備オッケー！指揮官、入ってきてくださーい！
どうやらこちらが出ていくまで、何度でも同じ言葉を繰り返すつもりのようだ
あっ……困ります！
美しいお嬢さん。今晩、俺様とシャレオツなバーでしっぽり過ごさないかい？
目の前に広がる珍妙な光景。ナナミは人体模型に壁ドンされながらも、器用に声色を使い分けてふた役を演じている
壁ドンされている少女が、すがるような目でこちらを見つめてきた
あぁ？誰だてめぇ！？
突然の闖入者にいきり立った人体模型（CVナナミ）が、ナナミのサポートによって身を翻し、こちらへ向かってくる
私のために争わないで！
一体いつまで続くのかわからないが、ナナミは本能のシナリオに従って延々とおかしなセリフを吐き続けている——
え……おう
人体模型（CVナナミ）は困惑したような返事をすると、そのまま壁ドンを続けた
ちょっと！指揮官はナナミを助けないとでしょ！
ナナミは人体模型を抱えて駆け寄ってきて、茶番の続行を強く要求した
それからは大変だった。部屋のあちこちが陥没し、模型さんの頭半分もどこかへ消えた。混乱は、騒ぎに気づいた何者かが部屋に入ってくるまで続いた
指揮官……何してるんですか……
