フンフン……フンフンフ~ン
朝起きたら、自室の一角にルシアが座っていた。やや慌てたが、ルシアの方はまったくもっていつも通りに見える
お目覚めですね、指揮官
まず……申し訳ありませんでした
先日、失敗作を試食させてしまったことです。やはり、見た目を良くするだけでは駄目だったようですね……
……指揮官はそう仰ると思っていましたが……すみません
少し不謹慎かもしれませんが、指揮官が目の前で気絶されてから、より自分のことを理解できるようになりました
以前の自分だけではなく、今の自分のこともです
ずっと色々な疑問を抱いていましたが、もう大丈夫です
全てではありませんが、これからは問題なさそうです
そういえば指揮官。ここでお待ちしている間に、たくさんの方が来られましたよ。残らず帰っていただきましたけど
重要な用事もそうでない用事も、全て私が処理しました
指揮官はお疲れでしょう。この前のこともあって元気がなさそうでしたので、ゆっくり眠っていただきたかったんです
とにかく今日は任務もありませんし、このままお休みください。私も引き続きここで見守りますから
そうですか……。背を向けても……きっと駄目ですね
ここに残ることが休憩なんです
どうしてそんなに不思議そうな顔をされるんですか?以前の私もよく、一緒にいたのでしょう?どういった状況だったかはわかりませんが……
記録によれば、最も長い時間をともに過ごしたのは指揮官です。従ってこれは以前と変わらない行動だといえます
一言で言うなら……
お互いの時間を共有したいんです
いえ、お返事は結構です。答えが欲しくて指揮官にお伝えしたわけではありませんので
ルシアはそっと折り鶴を差し出してきた。折り曲げられた箇所に文字が書かれている
座標だ。以前建設した基地付近を示している。それから、メッセージ。「指揮官、約束の時間にあの場所にお越しください」
つまり……指揮官をデートにお誘いしています