Story Reader / Affection / ルシア·深淵ノ紅·その6 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ルシア·深淵ノ紅·その2

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指揮官の具合はいかがでしょう?

まったくもって良好だな。2人前のファストフードもペロリだ。だがな、体内のパニシングは、いまだかつてお目にかかったことのないような状態だ

え、それでは指揮官は……

心配いらん。免疫血清でパニシングの活性を抑制してるからな、身体の健康に影響はない

しかしだな、パニシングは信号ユニットを放出し続けていて、だな……

そう言いながらアシモフは、ルシアの顔を横目に眺める。指揮官のことで頭がいっぱいのルシアは、視線にまったく気づかない

……体内のパニシングが信号ユニットを放出して、構造体とのリンクチャンネルを生成してやがる。昇格者は、これを使って指揮官の意識との疑似リンクを成立させてるようだ

リンクを遮断する方法はないんですか?

……認めたくはないが、目下のところ、これといった有効手段はない

ひとまずは安全なようですが、あなた方は僕たちの指揮官をどうする気なんです?

モルモットにでもするんじゃないでしょうね?

おいおい、お前ら兵隊はどうしてそう物騒なんだ……

落ち着いてくれよ。サンプルデータはもう十分にあるんだ、今更人体実験なんて必要ない

だが、一時的な収容は必須だ。お前らの指揮官の安全をきっちり確保するためにも、それから、万が一の事態が起こった際に適切な対応をとるためにも

本人の了解は取ってある

……

じゃあ、俺は引き続き解決方法を探すから……どいてくれ

アシモフはグレイレイヴンの面々の脇を通りすぎ、数歩進んで足を止めた

隔離とはいえ、なにも一切会えなくなるわけじゃあない。……まったく、ここまで言わなきゃわかんないのかよ……世話が焼けるな

お任せください、指揮官

指揮官、どうかお大事になさってくださいね

人の気配は去り、青白い隔離室は再び静寂に包まれた。電子機器の規則的な音だけが四角い部屋に反射している

ピッ……ピッ……。聞き慣れた音が脳裏に響く。誰かが近づいてきて、そして誰かが去っていく

猛然と目を見開いたものの、依然として青白い壁と機械があるだけで、誰ひとりいなかった

ドアの上のデジタル時計は、午前1時28分を表示している

システム

リンク信号を検知、構造体がリンクしました――

……

やるべきことをしているだけ

いいえ

想定内よ。何の問題もない

今後は、こんな風にこまめにリンクさせてもらうから

あるかもしれないし、ないかもしれないわね

じゃあそういうことで、また次回会いしましょう