最後の1匹だ!ふう――このコウモリめ、手こずらせてくれたな
「コルサック」は発砲した銃を下ろしながら、異合生物が遠くで地面に墜落していく姿を眺める
[player name]指揮官一行をバベルの塔付近まで可能な限り護送したのち、支援部隊はニューオークレイ方向へ帰還している最中であった
「トカゲ」、残りの戦闘用物資の整理を頼むぞ
言われなくてももうやってるよ
[player name]さんが塔に入ってすぐ通信が途絶したけど、どんな状況になってるんだろうな
まぁ、全員信じられないくらいの強さだったし、俺たちに心配されたくもないかもしれないけど……って……えええっ!!
なんだよいきなり!?
あのコウモリの群れがまた来たぞ!!しかも【規制音】みたいな数だ!!!
「高壁」、アクセルを【規制音】みたいに踏み込め!!
今は遠くなったバベルの塔がある方角の空で無数の黒点が繋がって線になり、黒い雲のようになって空を覆い隠していた。異合生物の大軍がこの車列に向かって飛んできているのだ
戦闘準備だ!
その場の誰もが、この数の異合生物を前に勝算などないと理解していた
しかし黒い雲が近付くにつれて、弾丸を異合生物に浴びせていた支援部隊隊員たちは次第に違和感を覚え始める
こいつらの狙いは、俺たちじゃない……?
異合生物の大軍は車列上空をそのまま飛び越して、更に先へと飛び去っていく
あの方角は……ニューオークレイじゃないか……!
今すぐ姉御に連絡をしろ!
ニューオークレイ
ニューオークレイ――
さぁさぁ急いで急いで!重要物資以外はひとまず置いてって!お年寄りや子供たち、非戦闘員は優先的に車に乗って!
他の執行部隊の到着はまだ!?
町長のマックスは眉をひそめながら、必死に避難しようとする住民たちを見つめる
頼む……間に合ってくれ……
