Story Reader / 本編シナリオ / 40 よりよい明日 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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40-10 長い冬

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破壊しては……ダメ……

最後の侵蝕体がガシャッと金属音を立てて倒れた。低く呟きながら道の先に立つ銀髪の少女の体は不自然に揺れ、今にも倒れそうだった

皆……

彼女は苦しそうに地面に膝をついた。皮膚は壊れた陶器の人形のようにひび割れ、溶けかけており、そこから無数のまぶしい金色の光が溢れ出した

次の瞬間、シュッという音とともに、彼女の体は無数の光の粒となって砕け散り、まるで金色の雪のように、霧がかった空中で舞い散った

ははははは!ただの幻影がここまでやれるとは、やはり私の期待を裏切らなかったな――「黄金樹」よ!

昇格者は大げさなほど不気味に笑い、遠くの巨木に向かって両腕を広げた

彼女に何をしたのよ!

ガンッ!――ネイティアが巨大な鎌を振り下ろすと、1体の侵蝕体の死骸が突然跳ね起き、ジョン·ドゥの前に身を投げだして攻撃を受け、粉々に砕けた

これは我々が一緒に育てた成果じゃないか……ネイティア総監

あなたなんて知らないし、死人の謎かけに付き合うつもりもない

鎌の刃を再び振り回し、ほとばしる稲妻は焼けた鉄屑を貫き、ジョン·ドゥの頭へと向かった

砲弾は同じ場所に二度は落ちないものだ、総監

昇格者は同じ手を繰り返した。指を僅かに動かすと足下の無数の黒い死骸がその動きに応じ、体をよじらせながらジョン·ドゥの前に集まって鉄の壁を作った

ネイティアはまさにこの瞬間を待っていた

カラスさん!

――!?

側面から回り込んだ人間が引き金を引くと、弾の雨が炎の奔流のように降り注ぎ、ジョン·ドゥの体を襲った

特殊な弾丸は瞬時に鉄の装甲を貫き、昇格者の内部構造を溶かし、破壊した。ジョン·ドゥはほとんど抵抗もできず地面に崩れ落ち、ただの鉄屑と化した

地面に倒れてるあいつ……もう反応がないぞ?

戦闘が終わったことに気付き、隅に隠れていた難民たちが、恐る恐る顔を出した

しょ、昇格者は死んだのか?

ゴホッ……!

ネイティアは激しく咳き込んで、循環液を吐き出した。彼女は鎌を握りしめながら、ゆっくりと膝をついた

昇格者は赤霧を操れる……さっき、あいつにはめられて……ゴホッ!

彼女は眉をギュッと寄せると、必死に疲れを見せまいとしていた

生き残った難民たちが、ゆっくりと近付いてくる。多くの人は傷だらけだったが、互いに顔を見合わせ、こちらからの指示を待っているようだった

……

彼女はこの決断に対して何も言わず、ただ大きく息を吐き、静かに目を閉じた

長い沈黙の後、ネイティアはのろのろと片腕を持ち上げた

彼女は全体重をこちらに預け、まるで無言で自分に不満をぶつけてきているようだ

さっき端末に通信が入りました。川の南側に衛星都市があって、そこには浄化塔があるから、多分……安全なはず

俺はその辺りで誘拐されたんです……昇格者が友人に成りすまして、そして……

ピピピ――

ネイティアの遮断器が警告音を鳴らし、飛散した赤霧がまもなく巻き返してくることを知らせた

…………

浄化システムは赤霧を完全には消せないけど、ある程度の抑制力はあるわ。だから衛星都市の浄化塔がまだ作動しているなら……

彼女は話すだけでもひと苦労らしく、一旦、言葉を止めた

……確かにそれは最も近い、論理的にも安全な区域ね

来る時の道をまだ覚えている。昇格者は河岸に1隻の小船を残していた。この人数なら……詰め込めば何とか乗れるはず

それを聞いて、いくつかの怯えきって憔悴した顔がゆっくりと上がり、こちらを向いた。その目に僅かな希望を浮かべ、最終判断を待っているらしい

状況が急変した今、ぐずぐずしている暇はない。放射区の奥へ進む計画は捨て、難民を連れてただちに撤退すべきだ

一行は崩落した道を進んだが、幸いにも途中で敵に遭遇することはなく、南への道は比較的安全だった

10数分後、耳元にかかる熱っぽい息遣いは少し落ち着き、寄りかかる体も徐々に軽くなってきた。ネイティアはようやく赤霧の影響から回復できたようだ

彼女は……

じゃあ、今日から私たちは友達だね

うっ……!

彼女が突然立ち止まった。その顔色は虚ろでぼんやりとしており、呼吸もだんだん荒くなっている

ネイティア、必ず█▇█▇▇▄てね

激しい耳鳴りがネイティアの脳内で炸裂した。それはまるで無数の刃がギリギリとこすれ合うような、凶悪な音だった

私には……わからない

マルガ……リータ……

冷却液を頬に滴らせながら、彼女は胸を強く押さえた

まるで何かがそこから飛び出して彼女の血肉を引き裂き、食い尽くそうとしているようだった

数十年眠っていた苦痛が、潮のように腰の辺りに押し寄せ

いくつものぼやけた名前と顔が混ざり合い、彼女の神経を圧迫し続ける――

倒れ込む瞬間、すぐ側によく知る温もりが寄り添い、彼女の手の平を強く握り、目の前の泥をかき分けた