Story Reader / 本編シナリオ / 39 冬冠の枯死 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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39-1 初陣

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ロゼッタの攻撃を受け、氷層が轟音とともに砕け散った。冷たい光が軌跡を描くと、氷河の氷面が中心から割り裂かれ、敵味方の陣営を強引に分断した

後退が間に合わず、裂け目から次々と水中へ落下した大量の侵蝕体が氷水の中で狂ったようにもがく。飛び散る氷片が吹き荒ぶ風雪と混じり、騒然とした戦場を更に混乱させた

皆、急いで本拠地の方向へ撤退を!ここは斥候部隊だけ残せばいい。今すぐ動いて!

わかった、今のうちに負傷者を全員運ぼう!

了解!

指揮官、僕たちも後退しましょう

この先にも別の侵蝕体がいるかもしれない。ここは私とリーで先導を……

この氷河によって敵の進撃が遅れますし、空中庭園の構造体も何名かここに残り、ともに警戒します。安心して彼らに任せてください

よくやった。さすが我が北極航路連合の国民だ

リーの言葉の直後、背後から聞き覚えのある声が響いた

久しぶりだな、[player name]

氷河の対岸にある雪山の頂に、4つの影が浮かび上がった。最前に立つのは、つい先日空中庭園で交戦した、「ミネイル」に偽装していた人物だった

氷皇ザルク……

なるほど、空中庭園に潜入していた……

……何が目的なんだ?

航路連合の兵士たちは足を止め、緊張した面持ちで武器を握りしめた。突然出現した未知の敵に、緩みかけていた神経が再びピンと張り詰める

そう慌てるな。恐れる必要はない

極地の民よ、私はソフィア王家の血統を継ぐ第6代氷皇――ザルクだ。もし、まだ汝らに皇帝への敬意があり、ソフィアを首都と認めるのなら、跪き、再び我が臣下となれ

な、何を……

おい、今、氷皇って言わなかったか?

「氷皇」と聞いた瞬間、航路連合の部隊は騒めいた。動揺する者、武器を握ったまま動けずにいる者――彼らにとって、その名に言葉にできない重みがあることは明らかだった

それは「降伏勧告」と受け取っていいのですか?

まさしく、空中庭園の構造体よ。今お前たちが戦っている侵蝕体は、旧ソフィアの臣民だ。彼らは私の命に従い、お前たちを攻撃したまで

お前たちがここで降伏するなら、戦争はすぐに終結し、この極地に新たな平和が訪れるだろう

代償などない。私は君王であって、悪魔ではない

パニシングはただの道具にすぎない。誤解するな

この提案はお前たちにとっても悪い話ではないだろう。ここで死ぬこともないし、航路連合が世界を制し、ソフィア市が世界の首都になる日をその目で見られるのだぞ

つまり、あなたと私たちで世界を侵略しようと?

侵略ではない。「統合」だ。この世界には真の国家――統一国家が必要なのだ

ロゼッタと言ったな。これまでの戦闘を見るに、お前にも十分な潜在能力がある。部下を率いて私に降伏すれば、今戸惑っている者たちも正しい道を理解するだろう

……

指揮官、どうする?

うん、指揮官の意見に従う

私たちの意見は違わない

ロゼッタは頷いた。その顔に戦闘時の冷徹さだけが残る――彼女は勢いよく光剣を掲げた。刃の先から放たれた光は吹雪を突き破り、ザルクに狙いを定めた

他の者がどう思おうと、私はあなたの要求を断る。そもそも私は氷皇なんて存在を知らない。それに……

世界征服なんて、誰が聞いてもバカげてると思うわ

その言葉に、ザルクの背後にいた3人はサッと険しい表情になり、武器に手をかけた。だが、ザルクだけは薄く微笑んでいる

ザルク

それも想定内だ

彼がゆっくり手を掲げると、風雪がピタリとやんだ。氷山の影や積雪の向こうから一斉に機械音が鳴り響き、雪まみれの侵蝕体が次々と姿を現した。吹雪の中で赤い眼が光る

ザルク

意志をひとつにすることは、かくも難しい。だからこそ、我々は統合という名の勢力を作り出したのだ――全軍、出撃!

潜んでいた侵蝕体の群れが雄叫びを上げながら飛び出し、無数の影が部隊へ向かって押し寄せる。ついに、真の戦闘が幕を開けた