Story Reader / 本編シナリオ / 30 星屑のデュプリカント / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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30-14 見放す

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この時、赤潮の末端は異様に蠢いていた

ネバネバとした赤い粘液が破片にまとわりつき、泡立つうねりの中で捻れながら凝縮していく

「……いや、少し違いますね……」

赤いそれは数秒間沈黙すると、「自身」の構造を調整し、再び泡立ちながら凝縮し始めた

「あの人間が持っていた武器……本当に厄介です……」

「もしカバーする範囲が後少し足りていたら、この身分を失うところでした……」

うまく組み立てられないまま半時間以上がすぎた頃、ようやく不滅の少女は赤潮から捻れた半身を現し、先ほど損傷した部分を確認した

…………

パニシングの「視線」を借りて、彼女は反転異重合塔を見つめた

いつの間にか、そこには大勢の人が集まっていた

なあ、反転異重合塔の方で妙な動きがあるというのは本当か?

それ、ナニ情報よ?

チームメイト情報だよ

こっちを見ないでよ、私だって他の人から聞いただけ

誰が最初に言い出したのかは、よくわからないけど……

その構造体は八咫を見ながら、自信がなさそうに言った

あなた、スカラベ小隊の人でしょ?まさか知ったら口封じされるような情報なの?誰も近付けないようにしてるし

いいえ、誰かが噂を広めているだけ。私たちはその件を調査しているの

そっか、ただの噂なんだ……

ふたりは納得がいかない様子だったが、軽く会釈をして反転異重合塔からそそくさと立ち去った

どうします?夜が明けたらあの人たち、また好奇心でここに走ってきますよ

メンドくさいなあ、この件を大事にしようとしてるのは誰よ

私、なんだか予感が……

ストップストップ!

八咫は全部のアームの手でシヴァの口を塞いだ

こんなタイミングで、その縁起でもない予言が的中したらシャレになんないって

……

…………

こんなに大勢の人がいるなんて

今入ったら、0号代行者が完全に消される前に「遺産」をもっと沢山手に入れられるのに……

まあいいでしょう、安全に近付けなければ意味がないですし。大部分を失ったとしても、後から入れば必要なものは見つかるはず

なぜなら……彼女の物語<//情報>は決して消えないのだから

私は「あなた」の全てを受け継ぎ、「あなた」を私の中で活かし続けます

また赤潮に入ろうとして、彼女はふとあることに思い至った

0号代行者……

なぜ汚染模倣因子にそんな名前を?以前からそんな「人」のようになっていました?

まあいいでしょう……

そんな些細なことは……すぐに知れます