おいおい、本当にこっちで合ってるのかい?というより、翼があるなら私をつかんで飛んでくれれば……
ロランはわざとだらだらと歩きながら、文句を垂れている。彼は時間を稼ぎながら、目の前にいる女から離れようと目論んでいたのだ
別に構わないぞ。空から落ちてスクラップになってもいいならな
やれやれ、私は君たちの仲間だよ?仲間にちょっと手厳しすぎやしない?そんな扱いは悲しくなるじゃないか……
いい加減にしろよ小僧!お前は私たちと違うんだ!お前があの方に近づいたのは別の目的があるからだろう。お前は断じて仲間などではない!
お前はなぜあの代行者にこだわるんだ。彼女はとっくに力を失っている。お前にとってもすでに無価値だろうに
あまりに拙い探り方にロランは苦笑した。そして今の質問で確信した。この女はともに任務を遂行する仲間ではなく、自分の監視役だ。しかし、その演技力はてんで話にならない
ルナ様は確かに力を失ったが、まだ代行者の身分のままだ。つまり、彼女はまだ昇格ネットワークに受け入れられている。彼女を見つければ代行者の資格が手に入るかも……
そう、完璧な嘘というものは、そのほとんどが真実で、そこにほんの少しの偽りが混ざっているものだ。この理由なら彼女を納得させられるだろう
お前ごときが!?イカれてるぜ、我々より狂ってるなぁ!
そうかな?何ごとも、チャレンジ精神は重要だと思うけど。そうじゃなければ生きてても楽しみがないじゃないか……
いきなりブードゥーが足を止め、ロランも口をつぐんだ
(バレたか?いや……)
着いた。あの廃墟の中だ……
ロランはそっと周囲の状況を確認し、何もおかしな点はないことを確認した。もし本当に自分に手を出すつもりなら、ここに来るまでに何度もその機会はあった
あーあ……やっと着いたか。本当に大変だったなぁ
お前が不満を漏らさなければ、もっと早く着いていた
ロランは大袈裟に肩をすくめ、ブードゥーの後を追って遺跡の中へと入った