Story Reader / 本編シナリオ / 17 滅亡照らす残光 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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17-14 再集結

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双子は列車を追って出発しました

よろしい。彼らには今回の旅で、成長してもらわねば

さもなければ、彼らは、今は有利な状況でもいつか赤潮に吸収される養分にすぎない。名前すら与える価値はないでしょう

彼らがどんな風に成長することを期待しているの?狩りをする虎?それとも従順な羊かな?

この世界にとって、赤潮は避けては通れない洗礼だ。赤潮を放置したら、更なる無秩序、混沌、制御不能な結果を招くだけです

何度も言っていますが、新世界の大地は仲間とともに踏み出さなければならない。狩る側なのか狩られる側なのか、それは私が口を出すところではありません

なぜならば、それは彼らの学習材料――「人類」の倒影ですから

ふーん。それだけなら、どうしてハイジに「悪魔が貪欲な人類を見て、世界を再構築する」なんて物語を話したんだい?

「彼女に人類の可能性を見せたい」とも言いましたよ

もし悪魔が目覚めた時、最初に目にしたものが貪欲さではなかったら、どうなると思います?

光と影は共生する存在だ。私は影を知っているから光を否定しないのです

もし双子が、人類に卑劣さだけを見るのだとしたら、人類は自分の倒影に狩られることになる。もし、人類に希望の光を見出すのなら、彼らは世界に光で応じることになる

つまり、一部の人類に対しては、まだ希望を持っているってこと?

いや、正確には、私の「希望」は構造体に対してのものでしょうね。一部の人間の意識に昇格できる資質があったとしても、パニシングの選別により肉体を維持できなくなる

私はそれを残念だとは思いますが、私が彼らの代わりに選択することはできません

へえ、運も選別される要素のひとつということか。そうだね、なりたい時に構造体になれるのは、幸運な者だけだ。不幸な者は不幸のままに死んでいくしかないんだから

それなら、私たちも新しい試みをしてみてもいいかと

黒ずくめの姿は振り向き、去ってゆくアジール号を見ながら、ひっそりと笑った

彼らに「双子」と呼ばれた生物は列車の後を追い、スピードを調整して、目の前の巨大な列車に再び攻撃を仕掛けていた

堅牢な移動式の城は大きな悲鳴を上げている。双子の攻撃を受けてしまっては、自分の「尻尾」を切り落として逃げるほかなかった

後方に身を潜めていた無数の人々と貨物は、後尾部の車両とともに駆動部から切り離され、異合生物の赤潮に飲み込まれていく

だがその時は、まだ誰も知らなかったのだ

――生き残った人々も、アジール号とともに終焉へと向かっていることを