リーの予想通り、“自称マーレイ”はすぐに連絡してきた
兄さん、伝送カプセルは見つかったかい?
……完璧に偽装したつもりだろうが、ばればれだぞ。自称マーレイ
に、兄さん!何言ってるんだよ!僕がわからないの!?
なら説明してみろ……華胥の暗号キーを入手したあとすぐさま交信を試みたが、信号妨害を突破できなかった。なのに、なぜお前は通信できる?
それは……えっと……
おかしいと思ってたんだ。もし、本物のマーレイだったら重力子検知装置のフィードバックができないことくらい検討がついただろうからな
ついでにいうと、これまでの通信の背景音も解析済だ。お前がいる場所は空中庭園じゃない
ちぇっ……ばれちゃったなら仕方ないや……
そこにいる人間はおいといて、グレイレイヴンの皆さんとは初めましてだったかな?
……伝送カプセルを使って、あなたたちを安全に外に送り届けたいだけだよ
よく言う。どうせ何か企んでいるんだろう
へへ……賢いんだね、お兄さん
リーの額に青筋が浮き上がった。通信でなければ、今頃ラミアは蜂の巣になっていただろう
取引しようよ、グレイレイヴン指揮官。華胥の暗号キーをくれたら、デカブツにたどり着くルートを教えてあげるよ……
それは言えないな……なんにしたって、急いでるのはそっちの方なんじゃないのかな?
ラミアの話に呼応するかのように、集噛体が咆哮をあげた
指揮官、どうしましょうか?
暗号キーを渡すのは得策ではありませんよ。あの気味悪い昇格者が約束を守る保証はどこにもないんですから
どうにかしてラミアを探し出せませんか?
一体どこにいるんでしょう……
信号の妨害は強力ですし、僕たちの行動も仔細に把握している……おそらくはこのエリア、すぐ近くに潜んでいるんでしょう
解析した背景音からみても、この断崖にいることは間違いありません
わかりました、では私にお任せください!