Story Reader / 本編シナリオ / 13 終焉の福音 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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一片の後悔

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津波のような侵蝕体が襲ってくる。ルシアは負傷した足をかばいながら必死に迎撃するが、状況は一向に好転しない

それどころか、ふたりに襲い掛かる侵蝕体の数はどんどん増えているようだ

ルシア……もういいよ……この侵蝕具合じゃ俺はもう助からない

ヒイロ……

ヒイロは自分の認識票を外すと、ルシアに手渡した

すまない、ルシア……すまない……ムールナー……

……お願いだ、今すぐとどめを刺してくれ。人間の敵にだけはなりたくないんだ

ヒイロは苦しげに微笑むと、頭を振った

いや……俺たちはもうとっくに、人間の敵なのかもしれないな……

…………

ふたりの間を、長い沈黙が流れる。ルシアは静かに刀をあげ、ヒイロへと向けた……

私たちは人類を守る刃であり……同時に……

ルシアは悲しみに満ちた目で侵蝕体の大軍を見やった

……せめて、ジンとムールナーは助けなければ!

ルシアは心を決めた。そして必死に道を切り開こうとするが、侵蝕体の群れは想像をはるかに超える規模だった

しつこい!!!

パニシングの痛みに耐えながらルシアは刀を振るい続けた……どれほどの時間が経ったのか、やがて侵蝕体の群れの中に、見覚えのある人影を確認した

ふたつの人影はルシアのくせも弱点も知り尽くしていた。ルシアもまた、彼らの戦い方を熟知している

――直視したくない事実だ。だが、人影の胸の認識票が、無情な現実を見せつけてくる

ムールナー……ジン……やはり……

ルシアの手から刀が滑り落ちる――無数の侵蝕体を斬り倒し、深紅の栄誉に濡れた刀が泥にまみれた

大丈夫……意識さえ伝送すれば……

今すぐにそのパニシングまみれの身体から解放してあげます!

戦友の認識票を握りしめると、ルシアはにじり寄る侵蝕体の群れを振り返った

パニシングに侵された侵蝕体……侵蝕体の背景に、一体どれほどのつらい物語が埋もれているのか……

――「彼ら」もきっと、誰かを信じていたに違いない

ヴェンジ

君がルシアか。俺はヴェンジ。グレイレイヴン指揮官だ。君にはグレイレイヴン最強の構造体になってほしい。俺が求めるのは完璧な武器だ

――「彼ら」もきっと、仲間と肩を並べたことがあるだろう

ヴェンジ

ルシア、迷うことはない。グレイレイヴンこそが君の帰るべき場所だ。俺たちは決して君を裏切らないし、見捨てない……

――「彼ら」もきっと、約束を交わしただろう

私たちはもともと似たような存在だった……

ルシアの身体からとめどなく循環液が流れ落ちる。とうとう身体を支えられなくなったルシアは、廃墟にもたれるようにして崩れ落ちた…

人間……本当に守る価値があるんだろうか……

ルシアは認識票を握りしめ……黙り込んだ